繁體中文〈中国語繁体字〉_大仙大木國家公園
2025年3月28日
No.012-003
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■蒜山:大山隱岐的門戶
平緩的高地和大山·蒜山高原的著名山嶽,迎接著光臨大山隱岐國立公園的人們。這座景觀豐富壯觀的國家公園總面積達694.1平方公里,橫跨島根、岡山、鳥取三縣。公園初建於1936年,原名「大山國立公園」,1963年擴大範圍,將島根縣的部分區域和蒜山高原納入後改成了現在的名字。蒜山地區擁有豐富多樣的生態系統資源,包括山林、清流和廣闊的草地。兩大當地原生植物物種和許多瀕危動植物都在這裡安家,在公園的庇護下,它們為數甚少的種群數量才得以維持。當地人也早已在過去的許多個世紀裡適應了環境,發展出與當地地貌風景密不可分的繁榮文化。
蒜山高原和被稱為「蒜山三座」的三座山峰都屬於中國山地※,這條山脈由山口縣東部綿延至兵庫縣西部。和鄰近的大山山脈一樣,蒜山諸峰均形成於當地火山的反覆噴發,熔岩和火山岩碎屑冷卻後凝結為拱頂狀,從而造就了形態各異的山峰。低海拔處的山坡上覆蓋著天然橡木林和栗樹林,其中間雜著日本柳杉和日本扁柏的人工林。隨著海拔爬升,日本山毛櫸、橡木及其他落葉闊葉林為珍稀的山地植物種群提供了庇護。當地人每年一度的燒山活動,有效地保護了山間遼闊的草地。這一古老傳統維繫著草地瀕危物種賴以生存的棲息環境,也確保了傳統手工藝所需植物原料的持續供應。
如今的蒜山高原是熱門的度假休閒地,提供徒步、露營、騎行等多種戶外活動選擇。海拔500~600公尺間終年氣溫較低,即便在酷暑時節也不例外,是理想的夏季消暑勝地。涼爽的氣候與黑色的火山土壤孕育出了好幾種當地特色農產品,包括藍莓、珍貴的釀酒葡萄,以及外形整齊的白蘿蔔。此外,蒜山還以綿延起伏的牧場、澤西乳牛以及高品質的牛奶而聲名遠揚。
豐富的自然資源為許多當地產業提供了原材料,其中不乏當地獨有的傳統手工藝產業,如鄉原漆器。這種漆器所使用的原材料全都出自當地,無論是器具的木頭胎心,還是上漆所用的生漆,都取自生長在蒜山的樹木,就連最終成品的拋光打磨也少不了當地開採的矽藻土,這個富含二氧化矽的土層由一種名為「矽藻」的微型浮游藻類化石沉積而成。歷史悠久的木材工業已經被注入了全新的現代工藝,比如直交集成板材工藝(CLT)。這種工藝依照木紋纖維垂直相交的原則,將裁切好的原木薄板層層疊加,最終黏合為大型木料板材。與傳統標準木材相比,這種加工板材對生態環境更加友好,能更有效地利用森林資源,並且它的結構穩定性更強、耐熱性更好,用途也更加廣泛。
蒜山高原美麗而多樣化的景色與當地文化深深地交織在一起。歷史上,蒜山地區的鄉村被高山隔絕,與沿海地區少有往來,因此保全了珍貴的本土非物質文化財產。例如,一種名為「大宮踴」的當地舞蹈就被認為是1000多年前宮廷舞蹈的遺存。時至今日,大宮踴依然是當地夏日祭演出中相當重要的一部分。
※中國山地:日本本州西部「中國地區」內的山脈。
■蒜山:大山隠岐の玄関口
なだらかに傾斜した高原地帯や大山・蒜山高原の名高い山々が、大山隠岐国立公園に訪れる観光客を迎え入れる。広大な景観が広がり、多様な表情を見せるこの国立公園は、島根、岡山、鳥取の3県にまたがり、総面積は694.1平方キロメートルにのぼる。大山隠岐国立公園は、1936年に「大山国立公園」の名称で開設された後、1963年に島根県の一部と蒜山高原まで拡張され、現在の名称に改められた。蒜山地方には、山林、清流、広大な草原といった、豊かな生態系が広がっている。2種類の固有植物種や、絶滅が危惧される多くの動植物が生息しており、同国立公園において、これらの種の限られた個体数を保持するための取り組みが実施されているおかげであると言える。この地方の人々は、何世紀もかけて環境に適応し、景観から切り離すことのできない豊かな文化を育んでいる。
蒜山高原と「蒜山三座」(蒜山の三峰)は、山口県東部から兵庫県西部まで広がる中国山地※の一部である。隣接する大山連峰と同じく、蒜山の山々は度重なる火山によって溶岩や噴火堆積物がドーム状に固まり、山頂が形成された。標高の低い場所では、山腹は楢や栗の自然林で覆われているが、スギやヒノキの植樹地も点在している。斜面をのぼると、ブナや楢などの落葉広葉樹が生え、山地に生育する希少な植物種の拠り所となっている。このエリア一帯では、毎年の野焼きにより草原が維持されている。古くから続くこの慣行により、絶滅危惧種の生息環境となる草原が保全され、伝統工芸品の材料となる植物の供給も安定的に確保することができる。
現在、蒜山高原はハイキングやキャンプ、サイクリングなどの野外活動を楽しめる保養地、行楽地として人気を博している。標高500~600メートルに位置するため、最も暑い夏の数か月でも気温が低く、夏に訪れるにはもってこいの場所である。冷涼な気候と黒い火山性の土壌は、ブルーベリー、珍しいワイン用ぶどう、均一な形の大根などの特産物を育んでいる。蒜山はまた、ゆるやかな起伏のある放牧地、ジャージー乳牛、そして、高品質の牛乳でも有名である。
豊富な天然資源は、多くの地場産業に原材料を供給している。これには、郷原漆器のような独自の伝統工芸品も含まれている。木地、漆など、郷原漆器の原材料はすべて蒜山産のものを用いており、最終製品も、地域で採掘された珪藻土で磨かれる。珪藻土は「珪藻」と呼ばれるごく小さい植物プランクトンの化石でできた、シリカを豊富に含む堆積物の層である。古くから続く木材産業は、複数のひき板を直交するように積み重ねて接着し、大きなパネル状にするCLTなど、現代の技術を取り入れて発展してきた。このパネルは、通常の木材と比較して構造的安定性、耐熱性、汎用性に優れており、森林資源の有効活用を可能にする環境にやさしい素材である。
蒜山高原地域の多様な表情を見せる美しい景観は、郷土の文化と深く結びついている。歴史的に蒜山の集落は、山によって沿岸地域から切り離されてきたが、そのおかげで無形文化財が保全されやすい環境となった。例えばこの地方の「大宮踊」は、千年以上昔の朝廷の踊りが起源とされ、現在も夏祭りの際に踊られている。
※中国山地:「中国地方」と呼ばれる日本の本州西部を占める地域内の山地。
No.012-004
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■大山與蒜山的地形
環繞蒜山高原的各山峰都屬於自鳥取縣的「大山」(1729公尺)向東南延伸的成層火山群。大約在100萬年前到50萬年前之間,當地火山頻繁噴發,形成了如今的蒜山諸峰,包括象山(1085公尺)、擬寶珠山(1110公尺)、二俁山(1083公尺)、皆山(1159公尺)以及被合稱為「蒜山三座」的三座山峰:上蒜山(1202公尺)、中蒜山(1123公尺)、下蒜山(1100公尺)。
蒜山的大部分山峰都形成於流動緩慢的黏稠熔岩流。和「大山」一樣,蒜山諸峰的山體也大多由英安岩和安山岩構成,這類熔岩冷卻硬化後生成的火山岩很容易被侵蝕。
蒜山三座的山脊線是岡山縣與鳥取縣之間的天然分界線。山脊線南側海拔約600公尺處,陡峭的山坡變得平坦,鋪展成一片寬廣、平緩的區域,這就是「蒜山高原」。高原內有大片的草地,直到20世紀中葉,它們一直為當地居民提供飼餵家畜的牧草、田地的肥料和修建房屋所需的茅草。如今,這些草地也是若干當地特有物種和瀕危物種的珍貴棲息地。每年春天,人們遵照古老的傳統,有計劃地放火燒山,清除覆蓋在地面的雜草。燒山能夠促進野草生長,避免草地被樹林侵佔。
蒜山高原山坡以南有一個空曠開闊的沖積平原,名叫「蒜山盆地」。大約在35萬年以前,這裡發生了一次山崩,火山灰與火山碎片落入河道,堵塞了水流。洪水將此地淹沒,形成了一個巨大的堰塞湖。那時的水中生活著一種非常小的名叫「矽藻」的單細胞藻類,它們的「骨骼」成分是二氧化矽。矽藻死後,沉入湖底,日積月累,便漸漸形成了一層富含二氧化矽的沉積層,有些地方總厚度近100公尺。這種沉積土被稱為「矽藻土」或「矽藻岩」,它們重量輕、研磨性好、質地多孔,因此被廣泛使用在從啤酒過濾到炸藥製造等多個領域。蒜山正是日本最重要的二氧化矽開採地之一。
「大山」的火山活動持續不斷,火山碎屑最終填滿了蒜山盆地湖泊的西半部。與此同時,湖泊東岸開始受到侵蝕,湖水漸漸向南匯入旭川水系。當湖水流盡,湖泊徹底乾涸後,一個平坦的低地隨之誕生,成為了宜居之地,這就是今天的真庭市。
■大山と蒜山の地形
蒜山高原を囲む山々は、鳥取県の大山(1,729m)から南東に延びる成層火山群の一部である。100万年前から50万年前にかけて繰り返し噴火が起きたことで、蒜山の象山(1,085m)、擬宝珠山(1,110m)、二俣山(1,083m)、皆ヶ山(1,159m)、そしてまとめて「蒜山三座」(蒜山の三峰)と呼ばれる上蒜山(1,202m)、中蒜山(1,123m)、下蒜山(1,100m)が形成された。
蒜山の山々の多くは、ゆっくりと動く粘着性の高い溶岩流によって形成された。大山と同じく、主に溶岩が固まってできた浸食されやすい火山岩であるデイサイトと安山岩で構成されている。
蒜山三座の稜線は、岡山県と鳥取県の県境となっている。この南側の標高およそ600メートルの地点で急勾配の斜面が平らになり、広くなだらかに傾斜した裾野、つまり蒜山高原を形成する。この地域には、20世紀半ばまでこの地に暮らす人々の家畜の飼料、田畑の肥料、住居の屋根ふき材料の供給元となっていた広大な草原が広がっている。また、今日では、この草原は、複数の固有種と絶滅危惧種にとって重要な生息環境として認知されている。毎年春には、古くから伝わる山焼きを行い、下草を一掃する。この山焼きが、野草の発芽を促進し、森林に戻るのを防いでる。
傾斜した高原の南には、「蒜山盆地」として知られる広大な沖積平野が広がっている。およそ35万年前、火山灰と堆積物が雪崩のごとく川に流れ込み、せき止めた。一帯は冠水し、巨大な湖が出現した。当時、水中には「珪藻」と呼ばれる非常に小さな単細胞性の藻類が生育していた。この藻類の骨格は、シリカ(ケイ素の一種)から作られていた。死んだ珪藻は湖の底に漂い、豊富なシリカを含む堆積物の層を形成し、場所によってはその層の厚みは100メートル近くにもなる。「珪藻土」あるいは「珪藻岩」と呼ばれるこの堆積物は、軽量で研磨性があり多孔質なため、ビールのろ過からダイナマイトの製造まで、様々な用途に利用できる。蒜山は、日本の有数のシリカ採掘地である。
大山の火山活動は継続し、やがて蒜山盆地の湖の西側を噴火堆積物で埋め尽くした。同時に、湖の東岸は浸食され始め、南方向の旭川水系に流れ込むようになった。湖が完全に干上がると低い平地が新たに出現し、居住に最適な土地となった。この場所が現在の真庭市である。
No.012-005
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■蒜山高原的魅力
蒜山高原位於岡山縣北部延綿起伏的高地上,它是日本境內最適合自然風光愛好者的旅行勝地之一。
蒜山高原的海拔在500~600公尺之間,夏季氣溫宜人,是徒步、騎行或嘗試其他戶外活動的理想去處。這裡的登山道視野開闊,行走其間,可將大山隱岐國立公園南側美景盡收眼底,還能清楚地看到位於北側的中國地方※最高峰「大山」。蒜山漫山遍野的橡木和其他闊葉林為諸如蛇之乢(音「蓋」)濕地等孤立的小生態系統提供了庇護。令人一見難忘的「蒜山三座」(上蒜山、中蒜山和下蒜山)之間有山道相連,山道自開闊的林間穿過。春季到初夏是片栗花(豬牙花)和日本百合的花期。片栗花屬於百合科植物,球根富含澱粉,過去人們從中提取日本料理中常用的增稠劑「片栗粉」。只是由於片栗花已被列入瀕危物種名錄,片栗粉的材料才漸漸被如今更常見的土豆澱粉取代。夏末,山上的日本藍盆花競相開放。到了秋天,登上山頂遠眺,景色尤其動人。
前往中蒜山的登山道起點附近新建了一處露營地,名叫「蒜山鹽釜露營村」(Hiruzen Shiogama Camping Village)。從草地帳篷到懸掛在樹上的豪華露營艙,營地提供各類舒適的戶外設備。露營者需要的一切用具都可以在營地商店內租到,睡袋、炊具,乃至孩子的草地玩具應有盡有。遊客可以坐在營火旁放鬆心情,也可以挑戰樹梢障礙步道,或完成全程2.7公里的登山路線,登頂中蒜山。
蒜山高原也是騎行的好地方。將近30公里的單車路線環繞著蒜山盆地,沿途有高山與農田的全景相伴。單車路線包括自行車專用道和交通量較小的當地街道,全程設有許多可遮蔭的休息區和公共廁所,十分適合家庭及單車騎士。天氣晴朗時,嘗試溯溪(沿著多石山溪的河床行走)和騎馬也是不錯的選擇。在冬季到來的旅行者還可以體驗單板滑雪、雙板滑雪,甚至雪鞋徒步。
蒜山是日本最大的澤西乳牛養殖區,以乳製品聞名。為了充分利用不適合農耕的半天然草地,蒜山於1954年首次從紐西蘭引進澤西乳牛品種。從此以後,澤西乳製品便成為了當地的主要產業,起司、牛奶、霜淇淋、優酪乳以及其他乳類食品在這裡生產、銷售。遊客可以在農業主題公園「蒜山澤西牧場」(Hiruzen Jersey Land)內體驗擠奶和起司製作。此外,7月下旬至8月上旬有約8萬株向日葵在農場內的「向日葵田」間盛放。在另一處熱門景點「蒜山香草園」(Hiruzen Herb Garden Herbill)裡,遊客可置身廣闊田園間享用餐點或下午茶,茶點搭配當地乳製品廠新鮮出品的凝脂奶油。田園裡種植著各類香草,多達250種,7、8月間還能看到2萬株薰衣草的花海。這裡是日本西部最大的薰衣草田,花季可以體驗採摘薰衣草。
在日本,沒有溫泉的度假地是不完整的。蒜山的溫泉最適合舒緩一天戶外活動後的疲勞。一些傳統旅館的溫泉浴場也向非房客的遊客開放。蒜山八塚溫泉快湯館是公共浴場,入浴者可以在戶外的天然石浴池裡欣賞蒜山美景。
※中國地方:日本本州西部地區名,包括鳥取、島根、岡山、廣島、山口五縣。
■蒜山高原の魅力
岡山県北部の起伏のある高地に位置する蒜山高原は、日本有数のリゾート地として、自然を愛する人々に親しまれている。
蒜山高原の標高は500~600メートルで、夏はハイキング、サイクリングなどの野外活動にふさわしい快適な気温に恵まれる。このエリアの登山道からは、大山隠岐国立公園の南側を広く見渡すことができ、北の方角には中国地方※の最高峰である大山がよく見える。蒜山の斜面は楢などの広葉樹で覆われており、蛇ヶ乢湿原など離れたところにある生態系も保護している。印象的な蒜山三座(上蒜山、中蒜山、下蒜山)を結ぶ登山道が広々とした林の中を通り抜け、春や初夏にはカタクリとササユリの花が見頃を迎える。デンプンを含むユリ科のカタクリの球根は、かつては日本の料理で使うとろみの素である片栗粉を製造するために収穫されていた。しかし、カタクリは現在絶滅危惧種に指定されているため、今日よく使用されるデンプンはジャガイモ由来のものである。また、夏の終わりにはマツムシソウの花が咲き、秋に山頂から見る風景は、ひときわ見事である。
中蒜山の登山口の近くには、「ひるぜん塩釜キャンピングヴィレッジ」と呼ばれるキャンプ場が新たに設けられている。このキャンプ場には、芝生のテントサイトから、木々に繋がれた豪華なグランピング設備まで、快適な野外宿泊設備が整っている。サイト内にあるショップでは、寝袋から調理器具まで、キャンパーなら揃えておきたいあらゆる必需品や、子どもが芝生で遊べるおもちゃがレンタルできる。キャンプファイアーの傍でくつろいだり、木の上のアスレチックコースに挑戦したり、中蒜山の山頂まで2.7キロメートルの登山にチャレンジすることもできる。
蒜山高原はサイクリングにも最適で、蒜山盆地を一周する約30キロのサイクリングロードからは、周囲の山々や農地が広がるパノラマビューを楽しめる。自転車専用道と、交通量の少ない一般道路があり、日陰で休める休憩場所や公衆トイレがいくつも設置されているため、家族連れや気楽にサイクングを楽しみたい人にも最適である。蒜山地域ではこの他にも、天候が良い日にリバートレッキング(岩場の渓流の川床を歩く)や、乗馬を楽しむことができる。また、冬になると、スキーやスノーボード、さらにはスノーシューにも挑戦できる。
蒜山は、日本最大のジャージー乳牛の繁殖地として、その乳製品で良く知られている。ジャージー牛は、農業には適さない半自然の草地を活用すべく、1954年に初めてニュージーランドから輸入された。以来ジャージー製品は主要な地場産業となり、チーズ、ミルク、ソフトクリーム、ヨーグルトなどの乳食品はすべて、この地で生産、販売されている。「ひるぜんジャージーランド」という農業のテーマパークでは、牛の乳しぼりやチーズ作りに挑戦することもできる。また、農場内にある「ひまわり畑」には、7月下旬から8月上旬にかけて約8万本のひまわりが咲き誇る。さらに、蒜山のもう一つの名所、「蒜山ハーブガーデンハービル」。広大な敷地内で、地場の乳製品で作った新鮮なクロテッドクリームがついてくるアフタヌーンティーやディナーを堪能できる。園内には、250種のハーブが植えられ、7~8月にかけて2万本のラベンダーが咲き誇る。また、ここは西日本最大級のラベンダー畑で、シーズン中には、ラベンダーの摘み取り体験もできる。
日本のリゾート地には温泉がつきものだが、特に蒜山のお湯は歩き回った一日の疲れを癒してくれる。昔ながらの旅館のお風呂は日帰り入浴が可能なところもあり、公共浴場である蒜山やつか温泉快湯館では、天然石の露天風呂から蒜山の風景を楽しむことができる。
※中国地方:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県を含む、日本の本州西部を占める地域。
No.012-006
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■蒜山的野生動植物
作為大山隱岐國立公園的一部分,蒜山高原在維繫當地眾多動植物的健康生態系統方面扮演著重要的角色。
這裡擁有一些當地獨有的物種或品種,在全球其他地方都見不到。這類物種通常都會被冠以地名,例如蒜山梅花藻(Ranunculus nipponicus var. okayamensis),一種開花的水草,生長在過去為蒜山農民的耕地及日常生活供水的灌溉渠中。同樣的還有蒜山苔草(Carex aphyllopus var. impura),一種莎草科植物,1930年才第一次被採集到。「蒜山三座」的三個山頭上都能見到它的身影,但中蒜山上數量最多。
在蒜山高原能找到許多有滅絕的危險,或瀕臨滅絕危機狀態的物種。當地最有名的瀕危物種之一,就是有著長觸角的日本多節天牛(Agapanthia japonica)。這種天牛體長只有15~17公釐,以細長的黑色身體、泛紫的金屬光澤和生有簇毛的觸角而引人注目。牠們一度遍佈日本中部,甚至出現在北海道,但隨著草地棲息地遭到破壞而數量銳減,如今推測牠們只生存在岡山縣和長野縣,而確定的棲息地也只有蒜山。日本環境省已經將牠列為極危物種(CR),這意味著牠們在野外環境中面臨著極高的滅絕風險。
蒜山高原是這些天牛的重要基地,因為牠們的生存繁衍與一種名叫金針菜(Hemerocallis citrina)的開花植物密切相關,而這種植物只能生長在濕潤的草地上。日本多節天牛的成蟲以金針菜為食,蟲卵也是產在金針菜的莖幹中。幼蟲躲在這種植物內部越冬,依賴其養分成長,直到來年6月或7月孵化。若是沒有了蒜山這樣成規模生長的金針菜,便相當於失去了這類天牛整個物種賴以生存的家園。
此外,蒜山地區的淡水珍珠貝(Margaritifera laevis)是全球最瀕危的淡水雙殼類物種之一。這類淡水貝在整個水生生態系統中至關重要,因為牠們能夠過濾懸浮微粒,釋放營養物質,並攪動水中的沉積物使之混合。最近幾十年來,受到人類活動和棲息地減少的影響,淡水雙殼貝類總量全球性急劇遽下降。淡水珍珠貝生存在淺水河中,要求水流平緩,水溫最高介於18℃~20℃。蒜山的天谷川和小原川恰好提供了完全符合要求的環境。這兩條河流中還生活著大量的石川櫻鱒(Oncorhynchus masou ishikawae),而珍珠貝的幼體正是寄生在牠們的魚鰓中,需要寄居2個月左右才會成長為稚貝,脫落並鑽進河床的沉積物中生活。
當地的另一珍貴物種是日本虎鳳蝶(Luehdorfia japonica),這是一種黃白虎斑條紋的蝴蝶,後翅上有明顯的紅色和藍色斑點。牠們每年只在4月前後出現,因此獲得了「春之女神」的美稱。日本環境省將牠指定為易危物種(VU),意味著牠們在野外環境中存在種群滅絕的危險。
最適宜日本虎鳳蝶的生存環境是林下植被稀疏的闊葉落葉林。由於日本多山,缺少開闊平地,人們自古便在山谷居住,並學會了開墾附近的山麓用於農耕。這些經過開墾的土地和森林被稱為「里山」。村民因燒炭所需定期砍伐村鎮外的林地,然後任之再重新生長。覆蓋在林地表面的樹葉、落枝和矮小的灌木則被收集起來,用作燃料和肥料。簡而言之,正是里山的人類活動,創造了適合日本虎鳳蝶生活的完美環境。
進入現代社會後,日本面臨人口老齡化問題,年輕人也更青睞城市而非鄉村生活,里山式的土地使用方式因此越來越稀少。如果不定期管理,里山環境就會重新回歸天然林地。其結果是許多從前的草地和伐木林面積不斷減少,依賴它們生存的物種因此也會逐漸喪失棲息地。日本虎鳳蝶在全國的分佈範圍越來越窄,這在蒜山地區也不例外。所幸到目前為止,蒜山依然延續著傳統的里山,當地居民照常維護伐木林,所以人們還能在林間見到「春之女神」翩然起舞。
■蒜山の野生動植物
大山隠岐国立公園の一部である蒜山高原は、多くの動植物の健全な生育のための生物圏を維持するうえで、重要な役割を果たしている。
ここで見られる種の中には、世界中でここにしか見られないものもある。蒜山の固有種には、しばしば、ヒルゼンバイカモ(蒜山梅花藻、学名:Ranunculus nipponicus var. okayamensis)のように、この地にちなんだ名前がつけられている。ヒルゼンバイカモは、かつて蒜山地域の農民に農業用水や生活用水を供給していた小さな用水路に生育する、花をつける水草である。もう一つはヒルゼンスゲ(学名:Carex aphyllopus var. impura)という、1930年に初めて採取されたスゲの一種である。ヒルゼンスゲは蒜山三座すべてに生育しているが、中蒜山に最も多く見られる。
蒜山高原には、絶滅の恐れがある、あるいは絶滅の危機に瀕した数多くの種が生息している。この地に生息する最も有名な絶滅危惧種の一つは、フサヒゲルリカミキリ(学名:Agapanthia japonica)という長い角が生えた小さなカミキリムシである。体長15~17ミリのこのカミキリムシは、黒色の細長い体、金属のような紫の光沢、房状の触角で知られる。フサヒゲルリカミキリはかつて中部地方や北海道まで分布していたが、生息環境である草原が縮小したことで数が減少した。現在は岡山県と長野県のみに生息するとされているが、確実なのは蒜山のみである。環境省は、この種を野生環境において極めて高い絶滅のリスクに晒されていることを示す、絶滅危惧(CR)に指定した。
フサヒゲルリカミキリの成長過程には、湿潤な草原のみで育つユウスゲ(学名:Hemerocallis citrina)と呼ばれる草花が欠かせないため、蒜山高原はこのカミキリムシにとって重要な生息環境である。フサヒゲルリカミキリの成虫はユウスゲを餌にし、その茎に産卵する。幼虫は、ユウスゲの中で冬を越し、成長するとこれを餌にし、6~7月にふ化する。蒜山のユウスゲの数がゼロになれば、この種は事実上、住みかを失うことになる。
世界で最も絶滅が危ぶまれる淡水二枚貝の1つが、蒜山に生息する真珠貝の一種、カワシンジュガイ(学名:Margaritifera laevis)である。淡水二枚貝は、粒状物質のろ過、養分の放出、堆積物の混合など、水界生態系で重要な役目を果たしている。淡水二枚貝の数は、人間の活動や生息環境の縮小により、世界全体でここ数十年の間に劇的に減少した。カワシンジュガイは生息環境として、摂氏18℃~20℃を上回らない、ゆったりと流れる浅い川を必要とする。蒜山では、天谷川と小原川がまさにこのような環境を提供している。これらの川にはアマゴ(学名:Oncorhynchus masou ishikawae)も数多く生息しており、カワシンジュガイの幼生は稚貝となって川床の堆積物に落下するまでのおよそ2カ月の間、アマゴのえらの中で成長する。
この地に生息するその他の希少な種として、後翅に赤と青の独特の斑紋があり、白と黄の虎のような縞模様をしたギフチョウ(学名:Luehdorfia japonica)が挙げられる。1年に1度、4月頃にしか姿を現さないため、「春の女神」の異名を持つ。環境省は、ギフチョウを野生環境で絶滅する恐れがある絶滅危惧(VU)に指定している。
ギフチョウは、下草が少ない落葉広葉樹林に生息する。山の多い日本では、平らな開けた土地が不足していたため、昔から人々は山間の谷に定住し、山裾で耕作をしていた。収穫された田畑や森林は、里山と称された。町の外側にある林は木炭にするために定期的に伐採され、再び生育させていた。林床にたまった葉や、折れた枝、雑木の柴は、集めて燃料や肥料とされていた。里山は、ギフチョウにとってこの上なく素晴らしい環境だったのである。
現代の日本では、高齢化が進み、若者は田舎よりも都会で暮らすようになったため、里山的な土地活用は希少になりつつある。定期的に維持管理を行わないと、里山の環境は元の天然林に戻ってしまう。すると、そこにあった草原や雑木林の多くは失われ、これらを必要とする種にとっては、生息環境が縮小することになる。全国的に、ギフチョウの生息域は縮小している。蒜山でも同様の傾向が見られるが、今のところ里山は存続され、「春の女神」が舞う雑木林は地元住民によって維持されている。
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■燒山的傳統
春天到了,火光映紅了蒜山高原的山坡。不用驚慌,這並不是肆虐的野火,而是為了維持草地的生物多樣性和地區生活方式而在人為管控下進行的燒山。
半天然草地是人與自然達成的一套平衡互利生態系統。放牧、刈草(刈音「義」)等人類活動有助於防止草地森林化、維護適宜草地動植物生存的生態系統。然而,全球的畜牧業大都正漸漸遠離天然牧場,許多曾經的草場都變成了耕地,半天然草地的總量也日益減少。目前,日本的草地面積僅占陸地面積的1%,這個數字只有1960年的三分之一,草地的保護迫在眉睫。
在蒜山,這種人為管控焚燒山野的習俗被稱為「山焼」(yamayaki),已延續了大約800年之久,當地的半天然草地因此得到保護,桔梗(Platycodon grandiflorus)、櫻草(Primula sieboldii)等諸多已陷入野外瀕危境地的物種也得以生存。這樣小規模有序的燒山緊接在春天化凍後進行,因此不會像森林火災那樣導致地表下的溫度過高。這使草地植物的根和種子都得以保留,並很快在清除了地表植被和樹苗的空曠草地上恢復勃勃生機。燒黑的地表還能吸收更多陽光,提升土壤溫度,加速花草發芽,從而延長它們的生長期。
燒山的傳統與蒜山的日常生活密切相關。過去,草地便是放養牛馬的牧場,割下的草則是鋪設屋頂的材料和農耕必需的肥料。此外,草也是製作「雪圍」的材料,這是一種用乾草和木板編結成的籬笆,用於防止因積雪過重而擠垮民居。蒜山的草地被視為一種社會公共資源,始終處於有意識的管理之下,因此,當地居民每年春天都會齊心協力,共同完成草地的維護與保護。雖然燒山對於當地居民的生活已經不再如從前那樣重要,但義工們依然堅持這個習慣,他們既是為了傳承珍貴的傳統風俗,也是為了保護當地脆弱而獨特的生態系統。燒山通常在每年3月下旬或4月上旬進行,具體時間根據每年天氣而定。這項活動作為蒜山文化的重要組成部分,歡迎遊客一起參與。
■伝統の山焼き
春がやってきた。蒜山高原の斜面が燃えている。しかし、慌てる必要はない。これは、深刻な山火事ではない。草原の生物多様性や地域の生活様式を維持するための山焼きが行われているのだ。
半自然の草地は、人と自然が相互に利益を与えながら両立する生態系である。家畜の放牧や草刈りなどの人間の活動は、草原が元の森林に戻るのを防ぎ、草原の動植物に適した生物圏が維持される。世界的に見ると、家畜の飼育に自然の放牧地が使われなくなり、かつての牧草地が耕作向きの農地に変容するにつれて、半自然の草地は減少している。草原は現在、日本の陸地面積のおよそ1パーセントを構成する。これは、1960年のわずか3分の1である。つまり、草原の保全は大いに重要性を増しているのである。
蒜山では、山焼きと呼ばれる800年ほど前から続く地元の野焼きの慣習によって半自然の草地が維持され、現在も、野生の絶滅危惧種であるキキョウ(学名:Platycodon grandiflorus)やサクラソウ(学名:Primula sieboldii)などが生育している。このように管理された小規模の火入れは、春の雪解けの直後に実施され、地表下の温度は山火事のように高温にはならない。結果として、草原の植物の根や種子は生き残り、光を遮断する下生えの植物や若木が除去された環境で、すぐに息を吹き返す。また、黒くなった地面はより多くの日光を吸収することで、土壌を発芽に有利な温度にまで上昇させ、生育期間の長期化を可能にしている。
山焼きの伝統は、蒜山の生活に深く関係している。かつて草原は馬や牛の放牧地の役割を果たし、そこで収穫された草は、屋根ふきの材料や、大いに不足していた農業用の肥料となっていた。また、葺き草と木の板を織り合わせて作る、住居を積雪の重みから守るための「雪囲い」にも使用された。蒜山の草原は地域社会の共有資源として管理されていたため、毎年春に地域の人々が集まり、一丸となって維持・保全を行っていた。この慣行はもはや住民の生活に必須ではなくなったが、貴重な伝統を維持すると同時に、脆弱なここにしかない生態系を保全すべく、現在も地元のボランティアが集まって山焼きを行っている。山焼きは天候次第ではあるが、通常3月下旬あるいは4月初旬に実施される。蒜山の文化の重要な一部であるこの行事に、ぜひ参加してもらいたい。
No.012-008
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■蒜山的瀕危物種
蒜山動植物種類豐富,其中包括一些極為珍稀的瀕危物種。
當地最著名的「居民」之一,是一種極度瀕危的日本多節天牛(Agapanthia japonica),牠們的日文名字很拗口,發音為「fusahige-ruri-kamikiri」。這種觸角長長的天牛一度遍佈日本中部地區,甚至北至北海道,現在卻隨著牠們生存所需草地的消失而日益減少。蒜山高原如今是這個物種的基地,在這裡,濕潤草地上生長的金針菜(Hemerocallis citrina)是牠們的食物來源與產卵的溫床。蒜山高原每年一度的燒山活動維護著當地生態系統的健康,阻止草地被森林侵佔。
日本虎鳳蝶(Luehdorfia japonica)也是一種瀕危物種,這種蝴蝶每年只在4月前後出現,因此被昵稱為「春之女神」。這種昆蟲生長在林下植被稀疏的闊葉落葉林,蒜山有一種被稱為「萌生林採伐」的林業操作,因此這樣的棲居環境並不少見。萌生林採伐所伐樹木用於燒炭,同時留下樹墩讓其繼續生長。在養樹期間,人們將樹葉和落枝收集起來作為燃料和肥料,並清除林下植被,為日本虎鳳蝶提供了理想的生存環境。
蒜山的水生環境裡也生活著稀有物種,比如淡水珍珠貝(Margaritifera laevis),牠們是世界上瀕危程度最高的淡水雙殼類物種之一。由於棲息地被破壞以及其他人類活動帶來的影響,全球這種貝類的數量在近數十年間急劇減少,而蒜山天谷川與小原川中的淡水珍珠貝種群的生存現狀依舊良好。這些生物能夠過濾懸浮微粒、釋放養分、混合水底沉積物,為河中的其他生物提供乾淨的棲居場所,在水生環境的維護上扮演著重要角色。
有記錄顯示,岡山縣內生長著2836種維管束植物,在蒜山地區能確認到2000種左右。其中還有一些當地區特有物種,在全世界其他任何地方都看不到它們的身影。蒜山梅花藻(Ranunculus nipponicus var. okayamensis)便是其中之一,它是一種開花的水草,生長在過去為當地農場提供生活及耕作用水的小灌溉渠中。蒜山苔草(Carex aphyllopus var. impure)也是當地特有物種,這種莎草類植物於1930年首次在蒜山地區被發現。
■蒜山の絶滅危惧種
蒜山に生息する数多くの動植物種の中には、絶滅の危機に瀕している希少な種もある。
中でも最も有名なのは、絶滅危惧種のフサヒゲルリカミキリ(学名:Agapanthia japonica)という舌を噛みそうな名前を持つ長い触角が生えたカミキリムシである。かつては中部地方と北海道に広く分布していたが、生息地である草地の減少に伴って個体数が減少した。蒜山高原は、この地域の湿潤な草原で生育するユウスゲ(学名:Hemerocallis citrina)に卵を産み、これを餌とするフサヒゲルリカミキリにとって重要な生息拠点となっている。毎年野焼きを実施することで健全な生態系を保持し、森林に戻るのを防止している。
もうひとつの絶滅危惧種であるギフチョウ(学名:Luehdorfia japonica)は、1年に1度、4月頃しか姿を現さないため、「春の女神」とも呼ばれている。ギフチョウは、下草が少ない落葉広葉樹林に生息する。蒜山には、伐採という森林管理の慣行があるため、このような生息環境が豊富に存在する。伐採は木炭として利用するために行われ、切り株から再び木を成長させる。その間に燃料やたい肥用の落ち葉や枝を集め、下草を刈り取り、ギフチョウにとって理想的な環境を確保しているのである。
また、蒜山の水生環境には、世界で最も絶滅が危ぶまれる淡水二枚貝の一種であるカワシンジュガイ(学名:Margaritifera laevis)など、希少な種が生息している。淡水二枚貝の数は、生息環境の破壊や他の人的要因のため、ここ数十年で世界的に急激な減少を呈したが、蒜山の天谷川と小原川には、現在もカワシンジュガイが健全に生息している。カワシンジュガイは粒状物質をろ過し、栄養を放出し、堆積物を混ぜることによって、川に生息する他の種のために清潔な環境を維持するうえで、重要な役目を担っている。
岡山県で見られる2,836の維管束植物のうち、およそ2,000種が蒜山に分布している。その中には、蒜山以外では世界中どこでも確認されていない固有種もある。このような種の一つが、昔から地元の農家に対して農業用水や生活用水を供給している用水路に見られる、花をつける水草のヒルゼンバイカモ(学名:Ranunculus nipponicus var. okayamensis)である。その他には、1930年に蒜山で初めて採取されたスゲの一種、ヒルゼンスゲ(学名:Carex aphyllopus var. impura)もある。
No.012-009
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■「里山」是什麼?
日本大約有四分之三的國土都是山地。自古以來,因為缺少宜居平地,當地人學會了如何在偏遠的山區生活與耕作。為應對生存環境的挑戰,社區發展出特有的傳統,從而充分利用靠近山野的優勢。這樣的村莊被稱為「山里」,而村莊周圍經過開墾的田地與森林則被稱為「里山」。
「萌生林採伐」是傳統里山活動之一。當地居民每隔10~20年砍伐一次橡木和其他生長速度較快的落葉樹,用於製作木炭。此後,老樹樁上會反復發出新芽,借助老樹根系儲存的能量,嫩芽迅速生長。新生枝幹很快就能長到可供再次砍伐的大小,速度比使用種子或重新種植小樹苗快很多。此外,每年林地上的落葉和斷枝也會被收集起來充當燃料和肥料。
里山的土地活用展現了人類與自然和諧共處的生活方式,發揮著維護當地生態多樣性的重要作用。比如,稻田、蓄水池和灌溉溝渠為候鳥與留鳥提供了覓食、繁殖的場所,同時也是蛙類、螢火蟲、蜻蜓等各種生物賴以生存的環境。過去人們需要用茅草鋪設屋頂,因此會定期收割長草,這也無意間為原本難以爭奪到充足陽光的小野花留出了生長的空間。在里山,人們早已學會與原生物種共處,找到了時而給予保護,並滿足自身需求的共存之道。
當今社會已經步入高齡化,對於年輕人來說,城市生活顯然比鄉村更有吸引力,里山的許多傳統習俗因此漸漸消失。但對於傳統的生活方式與自然風光,仍然有許多人保有田園詩般的美好印象。有一些機構和社團也正在努力守護里山的傳統生活方式,活用生活智慧,建設利用自然環境的同時保育生態多樣性的當地社區。日本環境省與聯合國大學永續發展高等研究所合作的「里山倡議」(Satoyama Initiative)專案計畫就是其中的一個例子。
■「里山」とは
山地は日本の国土のおよそ4分の3を占めている。住みやすい平地が不足していたため、人々は昔から人里離れた山間部で農業や生活を営んできた。原野に近いという地の利を生かし、地域社会はその土地の課題に対処するために独特の伝統を育んできた。こうして出来た集落を「山里」、山里を囲む収穫された田畑や森林は「里山」と称された。
伝統的な里山の慣行の例として、伐採が挙げられる。地域住民は10~20年ごとに楢などの成長の速い落葉樹を伐採し、木炭にしていた。すると古い切り株から新たな芽が繰り返し発芽する。芽は、木の根に蓄えられたエネルギーを使って素早く再生する。結果として、伐採された木は、種子や苗木から植え直す場合よりもはるかに早く採取可能な大きさに成長する。林床にたまった落葉や枝は毎年集められ、燃料や肥料とされた。
里山の土地活用は、自然とバランスを取りながら共存する生活様式を反映しており、地域の生物多様性を維持するうえで重要な役割を果たしている。例えば、田んぼや貯水池、用水路は、留鳥や渡り鳥の餌場や繁殖地になると同時に、カエル、ホタル、トンボなどの生物にとっても不可欠な場所である。屋根の葺き替え用に背の高い草を刈り取ることで日光の取り合いがなくなるため、背の低い野草の再生が促される。里山では、人々は在来種と共存し、さらには手助けしながら、自らのニーズを満たす手法を見出してきた。
高齢化が進み、若者が田舎より都市での暮らしを選ぶようになったことで、今では里山の慣習は希少なものとなりつつある。それでもなお、多くの人がその伝統的な生活様式や風景に、のどかなイメージを抱く。現在様々な団体が里山の暮らしを守り、あるいは知恵を活かして、生物多様性を保全しながら自然環境を活用できる地域社会を構築しようと、取り組んでいる。そのひとつが、環境省と国連大学サステイナビリティ高等研究所の合同プロジェクト、「SATOYAMAイニシアティブ」である。
No.012-011
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■真庭:木材之城
真庭的森林覆蓋率高達80%左右,林業與木材業都是蒜山地區的主要產業。19世紀晚期,當地開始廣泛種植適合商業木材加工的樹種,其中,最主要的品種包括日本柳杉、日本扁柏和松樹等。最初,人們利用河流將砍伐的樹木運送到岡山市,1936年鐵路開通後,真庭成為了面向關西地區的主要木材供應基地。
大約在1975年前後,由於消費者喜好轉變,再加上進口木料價格低廉,日本本土林業遭遇到雙重衝擊。雖然真庭的相關產業在1980年代期間依然保持了相對強勁的態勢,當地行業領袖為了保護產業,開始尋找更好的國產木材加工方式。他們將重點放在了永續發展、環保性以及現代科技在林業管理與木材加工上的使用等方面。其中,一項乾燥木料的革新科技,使真庭市得以在日本各大木材產區中脫穎而出。如今,這座城市使用裝配有感測系統的無人機和雲端資料庫,對森林資源進行戰略性的分類和管理,同時依然孜孜不倦地探索著更加高效、環保的木材加工方式,例如直交集成板(CLT)工藝。
CLT工藝於1990年代中期首先出現在歐洲,因成品的美觀度與多用性,近年來在日本備受關注。CLT的生產過程是將多層原木薄板以木紋垂直相交的方式疊加膠合,最終形成大塊的木質板材。與常規木板相比,運用CLT工藝生產出來的材料在穩定性、防火性和絕緣隔熱性等多個方面都更加出色,並且還保留了木材天然顏色和紋理。此外,由於CLT涉及的原材料是可再生天然資源,顯然比混凝土更有利於環保。
在真庭市,木料加工行業產出的碎木頭和鋸木屑同樣可以造福當地。自2015年開始,每年都有7.8萬噸這樣的廢棄材料被送進真庭生物能源發電廠,轉變為有用的電能。工廠年發電1萬千瓦,不但足夠滿足本市2.2萬戶家庭的用電需求,還有餘量出售給電力公司。
無論是傳統風格還是現代樣式,日本建築都更傾向於極簡風格的設計、輕質的建材,以及「隔而不斷」的室內外空間連接方式。在真庭木材向來便是建築的一大重要元素,這裡隨處可見它們與周邊森林之間永恆的關係。從擁有優美屋簷的福田神社這樣的歷史建築,到採用了最新CLT工藝的新式建築,無處不彰顯著「真庭因木而生,木亦成就真庭」。
■真庭:木材の都市
真庭の土地の約80パーセントは森林が占めており、林業・木材産業は、蒜山地域の基幹産業となっている。19世紀後半には、商業用木材に適した品種を広範囲に植える取り組みが開始され、木材用に主に栽培されているのは、スギ、ヒノキ、マツである。当時、伐採した木は川を使って岡山市まで運ばれていた。しかし、1936年に鉄道が開通したことで、真庭は関西圏に向けた主要な材木の供給拠点となった。
1975年頃になると、消費者の嗜好の変化や安価な輸入木材の流入により、林業は低迷し始める。1980年代を通して真庭の産業は比較的好調を続けていたが、地元の実業界のリーダー達は地場産業を守るべく、国産材を活用するより良い方法を模索した。彼らが注力したのは、持続可能性、保全、森林管理と木材加工に現代技術を取り入れることだった。真庭を国内の他の木材生産地と差別化したイノベーションの一つが、採取した材木を乾燥させるのに最先端の技術を採用したことである。今日、真庭市は、林業資源を戦略的に整理・管理するため、センサーを備えたドローンや、クラウドデータベースを活用している。また、同時にその木材の効率的かつ環境に配慮した活用を可能にする新しい手法、例えばクロス・ラミネイティド・ティンバー(CLT)などの技術を模索している。
1990年代中頃にヨーロッパで開発されたCLTは、その美しさや汎用性によって、近年日本で活用が進んでいる。CLTは、複数の薄い板を直交するように積み重ねて接着し、大きな木製パネルを作り出すことで生産される。CLTで得られた材料は、標準的な木製パネル材と比べ、高い安定性、耐火性、断熱性を示すが、木の自然な色合いや木目も残している。CLTは再生可能な資源から作られるため、コンクリートに代わる、環境に優しい材料となっている。
真庭の木材産業から排出される廃材やおがくずは、地域社会に利益をもたらすように活用されている。2015年以降、真庭バイオマス発電所において、毎年発生する78,000トンの廃棄物が有用なエネルギーに変換されている。この発電所では、真庭市の22,000世帯をまかなうエネルギーを超える10,000キロワットを発電し、余剰電力は、外部の電力会社に販売される。
日本建築は、伝統的なものも現代的なものも、ミニマリズムに基づく設計を行い、材料には軽量のものを用い、境界線が曖昧な屋内外空間とする傾向がある。真庭では、木材は以前から重要な要素とされており、周囲の森林との永続的なつながりを至る所で見ることができる。福田神社の優美な軒のような歴史的建造物から、最新のCLT技術を取り入れた新しい建物まで、真庭は木材で成り立ち、木材が真庭を作ってきたのである。
No.012-013
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■CLT直交集成板
直交集成板,簡稱CLT(Cross-Laminated Timber),這是一種現在頗具開發潛力的新型材料。鑒於蒜山地區的木材加工歷史,加上當地對於永續發展的熱情,真庭市有望成長為日本的一大CLT生產中心。
■什麼是CLT?
CLT是一種使用多塊原木薄板以木紋垂直相交的方式疊加膠合而成的大塊建材木板。這類板材保留了天然木材的迷人紋理,同時具備更強的穩定性、絕緣耐熱性,用途也更加廣泛。CLT於1990年代中期首先在歐洲出現,近年來在日本也開始倍受關注。
■CLT怎樣製造?
加工CLT板材的第一步,是將原木放入一種特殊的窯爐內脫水乾燥。隨著水分的蒸發,木料會收縮,這一步是為了確保最終成品中的原木材料不會出現變形、翹曲等問題。隨後,需要根據外觀和強度對完成乾燥的木料進行分類,確定其最合適的配置場所。
接下來,木料會被切分成不超出12公尺長的木板,然後通過一種被稱為「指形接頭」的齒狀槽口拼接在一起。這種槽口就像一排尖利的細釘,能夠分散受力,增加咬合處的接觸面積,從而形成極強的黏合力。這種拼接方式可以加工特長木板,且絲毫無損於最終成品的穩定性能。只是,日本的卡車裝貨長度受到法律限制,道路運輸的上限為12公尺。
拼接好的木板排成一列後,先刷上一層薄薄的膠水,再覆蓋上另一層薄板,上下兩層木板的木紋方向必須垂直相交。這樣的步驟不斷重複,根據板材的用途,成品最終疊加的層數各有不同。所有板層疊加完後,須立刻對整個板面進行平均施壓,壓強為8公斤/平方公分,根據氣溫的不同,持續加壓40~60分鐘。然後將木板靜置24小時進行乾燥。
完成後的板材被稱為「模型板」,可以按照需要定製切割。從接頭到視窗、電燈開關等開口部分,所有建材都可以預先在工廠裡完成精密切割,從而大幅縮短現場的施工時間。屆時只要把預製零件拼合起來,安置到合適的位置即可。
■CLT的優勢在哪裡?
從性價比、功能性,到永續性,CLT的優點很多。作為建築材料,CLT在穩定性、耐火性、抗震性以及絕緣隔熱性能上的表現都優於常規木板,同時還保留了木材的天然色澤和紋理。
除了審美優勢外,CLT的使用範圍超出混凝土、鋼材,且對環境的影響更小,因此更加環保。長期以來,混凝土始終是最主要的建築材料之一,但製造混凝土所需的沙子卻越來越難獲取。木材則不同,它們是可再生資源,很容易就地取材。而且,藉著使用當地產原材料和最終產品的輕量化,還能減少伴隨運輸而生的二氧化碳排放量。
CLT對木材資源的利用也更加有效。它能夠將小塊的木料拼合成大板材使用,更能為傳統上不那麼受追捧的木材開拓出新市場。比如,與紋理色差很大的日本柳杉比起來,色調淺淡而均勻的扁柏在日本更受推崇。但扁柏的生長週期比柳杉長得多,價格自然也就更加昂貴。而CLT板材可以在表層使用昂貴的日本扁柏薄板,隱藏在內的部分則使用相對廉價的柳杉,從而降低最終成品的售價。此外,將生長迅速的樹木與生長緩慢的樹種搭配使用,也更有利於森林的永續發展。
在施工現場,由於直接使用CLT預製構零件,無需像混凝土那樣等待乾燥,所有結構均可迅速搭建完成。此外,得益於所有結構的模組化特性,一旦有需要,這類建築都可以輕鬆拆除,並在他處原樣恢復。CLT良好的絕緣隔熱性不僅能有效降低冷暖氣成本,還有望長期降低對環境的影響。
CLT加工過程中所產生的廢料也有用處。在真庭,碎木塊和鋸木屑都被集中送到CLT工廠對面的一家生物能源發電廠作為燃料,廢料燃燒產生的熱量則又被送回CLT工廠的木材乾燥爐,形成了一個生產加工的閉環。
如想更瞭解CLT,可以前往「綠色蒜山」(GREENable HIRUZEN)參觀。那裡有一座出自知名建築師隈研吾之手的建築「風之葉」。它使用當地木材精心打造,遊客可以在此享受悠閒時光,欣賞蒜山高原的美景。
■クロス・ラミネイティド・ティンバー
CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)は、その可能性が今まさに模索され始めている新材料である。蒜山の木材生産の歴史や、持続可能な開発への地元の情熱から、真庭市は日本のCLT生産の中心地になると期待されている
■CLTとは
CLTは、何枚もの薄いひき板を互いに直交するように積層し、大きなパネルにした建材である。無垢材が持つ木目の魅力を残しつつ、高い安定性、耐熱性、汎用性を誇る。CLTは、1990年代中頃にヨーロッパで開発されたが、日本で積極的に取り入れられたのは、最近になってからのことである。
■CLTの製造方法
CLT製造の第一のステップは、特別な炉で木材を十分に乾燥させることである。木は水分を失うと収縮するため、この工程を経ることで、木材のサイズが後で変化して完成したパネルに反りが生じるのを防止できる。乾燥後、各部材は外観や強度により分類され、最適な配置場所が決められる。
次に、最長12メートルの板材を、フィンガージョイントと呼ばれる、嚙み合わせた切り込みでつなぐ。細い釘が並んだようなこの切り込みにより、圧力を分散させ、接着面積を増やすことができるため、極めて強い接着が可能になる。このようなジョイントを用いれば、安定性を損なうことなく非常に長い板を製造することができる。しかし日本ではトラックの積み荷の長さに法的な制約があり、道路輸送において12メートルが上限となっている。
板を一列に並べて積層用の接着剤でコーティングした後、これに直交するもう一つの板の層を上に乗せる。この工程が繰り返されるが、パネルの用途によって最終的な層の数は変動する。すべての層が完成した後、パネル1平方センチメートルあたり8キログラムの圧力を40~60分間(気温により異なる)かけて固める。その後パネルは、乾燥が完了するまで24時間置く。
次にマザーボードと呼ばれるその完成したパネルを、注文に応じてカットする。接合部から窓や照明スイッチ用の開口部まで、あらゆる部分が工場で精密にカットされるため、現場での施工時間は大幅に短縮できる。予めカットされた各部材は、簡単に組み合わせ、しかるべき場所に固定される。
■CLTの利点
CLTの利点は、コスト面、機能性、持続可能性など、多岐にわたる。建材としてのCLTは、標準的な木製パネル材と比べ、安定性、耐火性、耐震性、断熱性に優れ、かつ木の自然な色味や木目を保っている。
審美性における利点に加え、コンクリートやスチールと比べて環境への負荷が少ないというメリットがあり、さらには、汎用性の点でも優れている。コンクリートは昔から建材の定番だが、その材料として必要な砂の調達が次第に困難になっている。一方、木材は再生可能であり、国内で容易に入手できる。さらに、地元産の原材料の使用と最終製品の軽量化により、輸送に伴う炭素排出量を抑制することができる。
CLTはまた、森林資源をより効率的に活用できる。小さな部材を組み合わせて大きなパネルにできるだけでなく、従来あまり日の目を浴びなかった木材を活かす市場が創出される。例えば、日本では木目の色の濃淡が激しいスギに比べて、均一性の高い淡色のヒノキの方がはるかに珍重される。しかし、スギと比べヒノキの成長はかなり遅いため、その分ヒノキは高価になる。CLTパネルの場合、外側にはヒノキの板を、隠れる内側に安価なスギの板を使えるため、完成品の価格を下げることができる。さらに、この方式では成長が速い木と成長が遅い木を組み合わせて用いることができるため、森林の持続性を高めることにもつながる。
建築現場においては、コンクリートが乾くのを待つ必要がないため、既成のCLTパネルを用いて素早く構造を組み立てることができる。モジュール式であるため、建物を必要に応じて容易に解体、移設することも可能である。CLTの優れた断熱性能は、冷暖房コストの削減や、長期にわたる環境への負荷の低減につながる。
CLTの生産工程で発生した廃棄物までも、活用することができる。真庭では、木くずやおがくずを回収し、CLT工場の向かいにあるバイオマス発電所で燃料として焼却している。そこで生成される排熱は、逆にCLT工場の木材乾燥炉に送られ、完結型の生産ループとなっているのである。
CLTの可能性を実感するなら、グリーナブル・ヒルゼン(GREENable HIRUZEN)を訪問するのがよい。建築家の隈研吾が設計し、地元産の木材を使ったパビリオン「風の葉」は、リラックスした時間を過ごしつつ、蒜山高原の眺めを楽しむことのできるスポットとなっている。
No.012-014
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■自然保護體驗:生活在蒜山,環保在蒜山
生活在蒜山高原的人們保留著日本山谷居民長久以來的生活傳統,小山村的居民在很久以前就學會了在森林覆蓋的山坡上耕作,對有限的資源加以永續利用。他們的土地管理技能在尋求人與自然的平衡中,有效維護脆弱棲息地。稻田、水庫、灌溉渠不僅為候鳥提供了覓食的場所,同時也是蛙類、螢火蟲、蜻蜓等各類動物賴以生存的家園。這樣的環境既滿足了居民的生活需求,也能夠為原生物種的存續提供保障。
在真庭,人們歡迎遊客一起參與相關活動,以便更深入地理解山村的生存之道。以下是部分可供遊客體驗的當地環境管理與環保活動。詳情可前往市內的遊客中心諮詢,瞭解目前有哪些活動可以參加。中心工作人員會很樂意提供資訊,並代為聯絡當地相關機構。
■燒山
每年春天,人們都會在蒜山周邊的山上小規模地放火燒山。這項活動在當地被稱為「山焼」(yamayaki),能夠阻止半天然的草地被森林侵佔,為瀕危的草地動植物保住它們生存所依賴的棲息地。
■刈茅
刈茅(刈音「義」),就是在秋天收割秋荻等高大的禾本科野草,這項活動有助於野花的生長,否則它們無法在陽光爭奪戰裡與茅草抗衡。進入現代社會後,不再有為修葺屋頂而割茅草的需要,但真庭的當地居民依然每年堅持這項活動。割下來的草被用於堆肥、飼養家畜,以及修葺傳統建築的茅葺屋頂。
■野生葡萄
蒜山葡萄酒廠出品的葡萄酒和葡萄果汁都是用一種被稱為「山葡萄」(Vitis coignetiae)的野生葡萄加工而成。它是日本原生種,與培育品種相比,果實較小,味道更酸,且開花結果的條件都很苛刻。因此,要想獲得豐收,需要持續不斷的精心照料酒廠的葡萄棚。遊客可以嘗試親手剪枝、授粉,或採摘葡萄。
蒜山當地居民樂於邀請遊客參與類似以上的體驗活動,希望能藉此推動傳統習俗代代相傳,同時拉近人與人之間的關係,引發人們對貫穿真庭日常生活的古老智慧的興趣。
■蒜山地域で体験可能な自然保全体験活動
蒜山高原の人々は、日本の山地の谷で生活するのに必要な、種々の伝統を守ってきた。この地では、昔から小さな集落の住民が森で覆われた斜面を耕作し、限られた資源を持続的に利用する暮らしを営んできた。その土地の活用方法は、自然とバランスを取りながら、繊細な生育環境を維持し支えている。田んぼや貯水池、用水路は、渡り鳥の餌場になると同時に、カエル、ホタル、トンボなどの生物の生態系にも重要な意味を持つ。このような環境は、そこで暮らす住民のニーズを満たしながら、在来種が生き残ることにもつながっている。
真庭では、訪れた人に体験を通じてこういった暮らしに対する理解を深めてもらっている。以下に、観光客が楽しめるような地元の管理・保全活動の例をいくつか挙げてみたので、ぜひビジターセンターに立ち寄って、どのような活動に参加できるか聞いてみて欲しい。職員が喜んで案内し、地元の団体に連絡してくれるはずである。
■山焼き
毎年春には、蒜山の山々で小規模な野焼きが行われる。山焼きとして知られるこの慣行は、絶滅の危機に瀕した草原の動植物にとって不可欠な生育環境を維持しながら、半自然の草地が森林に戻ってしまうのを防いでいる。
■茅刈り
秋に行われる背の高いススキなどの草を刈り取る茅刈りは、日照不足の野草の再生を促す。現在では屋根の葺き替えに刈り取った草が使われることはないが、真庭の住民は今でも毎年茅刈りを行っている。刈り取った草は堆肥や家畜の飼料となるだけでなく、伝統的な建物の茅葺屋根の補修にも利用されている。
■野生のブドウ
ひるぜんワイナリーのワインとジュースは、ヤマブドウ(学名:Vitis coignetiae)として知られる野生のブドウから作られる。ヤマブドウは日本固有の品種であり、栽培されたものと比べて小粒で酸味が強く、花や実をつけるのには非常に特殊な条件を必要とする。そのため、豊富な収穫量を確保するためには、ワイナリーの棚の管理に絶えず注意を払う必要がある。観光客も剪定、受粉、収穫に挑戦することができる。
蒜山の住民は、観光客を招いてこういった活動を共有することで、後世に昔ながらのしきたりを伝えると同時に人と人のつながりを育み、また、真庭の暮らしに残る先人の知恵への理解を促すことができると期待を抱いている。
No.012-016
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■蒜山鹽釜露營村
蒜山鹽釜露營村(Hiruzen Shiogama Camping Village)坐落在中蒜山的山麓,是一處現代化露營和野營地。這個寵物友善的休閒活動設施於2018年7月開張,共有四個不同的帳篷營地,奢華內涵各有不同。A區營地提供配備齊全的圓錐帳篷或豪華野營帳篷,適合地面紮營;D區營地則以附帶家具的寬大露營艙為特色,它們有的建於柱子上,有的懸掛在樹上。如果你是追求挑戰性的重度露營者愛好者,推薦C區和B區營地:C區營地現成的帳篷已經搭好,但不帶家具;B區營地則是一片寬闊的林間地帶,地面上散落著嶙峋的大圓石,露營者可自帶或租借裝備,自由紮營。
從睡袋到炊具,乃至棋類遊戲和供孩子們使用的草地玩具,一切露營可能用到的裝備都能在營地內的商店裡租到。住客還可使用24小時開放的淋浴和洗衣設備。當地出品的澤西牛肉香腸等熱門食物和飲料都可單獨或搭配在燒烤套餐裡購買。遊客也可以選擇在鹽釜餐廳就餐,餐廳提供採用蒜山當地食材製作的菜肴,如當地名產白蘿蔔。一個名叫「鹽釜堂」的小吃攤提供甜品、刨冰和用被列入「日本名水百選」的鹽釜冷泉水現煮的咖啡。
露營者可以在綠蔭下的鹽釜冷泉邊休息,放鬆身心,也可以爬上7公尺高的樹梢,參加樹頂障礙步道體驗,考驗自己的平衡感和靈活度。障礙遊戲區域分上下四層,樹木之間分佈著小屋、繩索、秋千和繩網等。此外,還有狗狗樂園為帶狗前來的客人提供服務。
需要進城,或打算沿著真庭總計近30公里長的自行車道遊玩蒜山地區的話,可以在營地租借自行車。通往中蒜山頂的登山道(2.7公里)起點就在鹽釜冷泉附近,那裡有分岔小道,向西通往上蒜山(1.6公里),向東通往下蒜山(3.1公里),露營者很方便就能走遍蒜山最著名的三大山峰。
■ひるぜん塩釜キャンピングヴィレッジ
ひるぜん塩釜キャンピングヴィレッジは、中蒜山の麓にあるモダンなキャンプ&グランピングが楽しめる施設である。2018年7月にオープンしたペットにやさしいこのレクリエーションエリアには、4種類のキャンプ場が設けられ、それぞれ異なる贅沢さが味わえる。キャンプ場「A」には、設備が揃ったティピーテントやロッジ型テントが置かれており、地上でグランピングを楽しむことができる。一方、キャンプ場「D」には、支柱の上に建てられ、一部は木につるされた、広々とした家具付きのグランピング用の小屋がある。よりタフなアウトドア体験を求めるキャンパーを対象に、家具無しのテントが設置されたキャンプ場「C」、ごつごつした大きな岩が点在する草原で、道具を各自が持ち寄ったりレンタルしたりするなど、フリースタイルのキャンプが楽しめるキャンプ場「B」が用意されている。
施設内のショップでは、寝袋から調理器具、さらにはボードゲームや子どもが芝生で遊べるおもちゃまで、キャンプをするなら揃えておきたいあらゆる必需品がレンタルできる。また、ゲストはシャワーや洗濯設備を24時間利用することができる。さらに、飲み物や地元のジャージー牛ソーセージのような人気の食べ物も販売されており、単品でも、バーベキュー用の食材としても購入できる。塩釜レストランでは、名産のダイコンなど、蒜山で生産された農産物を使った料理が味わえる。塩釜堂という名のフードスタンドでは、スイーツ、かき氷、「日本名水百選」にも選ばれている塩釜冷泉の水を使った淹れたてのコーヒーが楽しめる。
キャンプ場の敷地内では、木陰の多い塩釜冷泉のほとりでのんびりしたり、木々の間に小屋やロープ、ブランコ、ネットが吊り下げられた、高さ7メートルの4階建て木の上のアスレチックコースで平衡感覚や敏捷性を試したりすることができる。ペット連れの利用者向けに、ドッグランも用意されている。
レンタサイクルを利用すれば、真庭の全長約30キロの自転車用道路を通って町に向かったり、蒜山エリアを周遊したりもできる。塩釜冷泉の近くには、中蒜山の山頂に続く登山口がある(2.7キロ)。その場所から西方向に上蒜山に続く分かれ道(1.6キロ)が、東方向には下蒜山に続く分かれ道(3.1キロ)があり、蒜山の最も有名な三峰すべてに容易にアクセスすることができる。
No.012-018
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■蒜山登山道
在蒜山高原徒步,能夠盡覽一望無際的草原和鬱鬱蔥蔥的森林風光,遠處更有大山隱岐國立公園的巍峨高山交相輝映。
上蒜山(1202公尺)、中蒜山(1123公尺)和下蒜山(1100公尺)被合稱為「蒜山三座」,或直接稱「蒜山」。一條11公里長的登山道串聯起三座山峰,兩處登山口分別設在西邊的上蒜山和東邊的下蒜山山腳,全程約需7~8小時。另一條通往中蒜山峰頂的路線要短一些,也更受歡迎,路線起點設在鹽釜冷泉附近。沿這條山道登頂,單程大約需要2小時。上述三條登山道的海拔爬升高度都在600公尺上下。
在蒜山三座上居高遠眺蒜山高原,景色十分壯美,晴朗的日子裡還能望見北面的日本海。若是遇上潮濕寒冷的天氣,便有可能看到濃重的山霧彙聚在蒜山盆地裡形成雲海。每當這時,山谷被遮住,群峰自白色雲海中聳起,景象瑰奇壯麗。越過上蒜山頂,繼續沿著山道向西走大約半公里,就是欣賞「大山」的最佳視角,這是一座巨大的休眠活火山,位於旁邊的鳥取縣境內。
此外,蒜山三座的登山道在不同季節各有亮點,比如5月可以欣賞到擁有蜘蛛般紫色花朵的片栗花(豬牙花),6月裡有淡粉色的日本百合在綻放,夏日則可以沉浸於沙沙作響的隈笹矮竹原,享受日本原野的典型風情。
■蒜山ハイキングコース
蒜山高原のハイキングでは、大山隠岐国立公園の雄大な山々を背景に、広大な草原と木々が生い茂る森を展望できる。
上蒜山(1,202m)、中蒜山(1,123m)、下蒜山(1,100m)の3つの山を総称して蒜山三座、またはシンプルに蒜山と呼ばれる。11キロの登山道が3つの山頂を縦断しており、西は上蒜山、東は下蒜山の麓に登山口がある。ハイキングは全行程で7~8時間かかる。塩釜冷泉近くにある3番目の登山口から中蒜山のみに登るコースは、所要時間も短く人気である。このルートは登山口から山頂まで、およそ2時間。どのコースも、およそ600メートルの標高を登ることになる。
蒜山三座からは蒜山高原の素晴らしい眺めを堪能でき、晴れた日には、北に日本海を望むことができる。高湿で冷涼な天候下では、濃い山霧が蒜山盆地に集まり、雲海と呼ばれる現象が起きることがある。このような時には、谷は隠れ、周囲の峰が白い雲の海から不気味にそそり立つ。上蒜山の山頂から西に登山道をおよそ半キロメートル進むと、隣接する鳥取県の巨大な休火山、大山の見事な眺めが広がる。
蒜山三座の登山道では、その他にも5月には蜘蛛のような紫の花をつけるカタクリ、6月には淡いピンク色のササユリ、そして夏には日本の原野の典型的なイメージでもある、サラサラと音を立てる笹原など、四季折々の風景を楽しむことができる。
No.012-020
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■三平山登山道
這條4.5公里長的登山道通往三平山峰頂,是蒜山高原最熱門的徒步線路之一。山道沿途可欣賞到當地區最美的全景景觀,全程坡度平緩,海拔只有300公尺左右,加上道路經過修整,適合大多數年齡層和各種經驗級別的徒步者行走,深受親子家庭以及入門級登山愛好者的歡迎。
三平山(1010公尺)橫跨鳥取、岡山兩縣邊界,佔據著可鳥瞰大山隱岐國立公園南部美景的有利地勢。從山頂往北眺望,能看見巨大的休眠火山「大山」(1729公尺),它是中國地方※的最高峰。東方是綿延起伏的蒜山高原,東北方則是「蒜山三座」的三座山峰組成的獨特天際線。
登山道沿途地貌景色豐富,其中還有針葉林和橡木林。三平山頂附近的山坡上有大片隈笹矮竹原和荻草原。秋季,荻草穗頭在風中搖曳,是令人難忘的景象。
1898年,日本軍方選中這裡飼養和訓練軍馬。他們圈出23平方公里草原,並在周圍築起了全長56公里的土牆,其中有46公里留存至今,在山頂附近的登山道旁便能看到好幾段殘垣斷壁。
從登山口附近的停車場開始,一條標記清晰的環形路線向著西北方一直爬升至山頂,然後折轉向下,途中經過穴之乢(音「蓋」)山口。整個環線只需不到2小時即可走完。遊客也可以在抵達山頂後原路折返,這樣行程時間可以縮短到80分鐘左右。
※中國地方:日本本州西部地區名,包括鳥取、島根、岡山、廣島、山口五縣。
■三平山ハイキングコース
三平山の山頂へ向かう4.5キロの登山道は、蒜山高原で最も人気が高いハイキングコースの1つである。このハイキングコースは標高差が約300メートルと緩やかであることと、登山道がきちんと整備されていることから、経験値のハイカーはもちろんのこと、お子様連れや初心者など、幅広い年代に適しており、この地域で最高のパノラマビューを堪能できる。
鳥取県と岡山県の県境にまたがる三平山(1,010m)は、大山隠岐国立公園の南のエリアを見下ろす絶景スポットとなっている。山頂から北の方角には、中国地方※の最高峰、巨大な休火山である大山(1,729m)を望むことができる。東と北東の方角には、なだらかな起伏のある蒜山高原と、「蒜山三座」のこぶのある独特な稜線が見える。
登山道は、針葉樹や楢の森など、さまざまな豊かな景色の中を通過する。三平山の山頂付近では、笹とすすきの広い野原が斜面を覆っている。すすきの穂が秋風の中でさざ波のように揺れる様子は、その季節ならではの心に残る光景である。
1898年、日本軍はこの野原を馬の育成、訓練に利用し、23平方キロメートルの牧草地を全長56キロの土壁で囲った。このうち46キロが現存しており、一部は山頂付近の道沿いに続いている。
登山口近くの駐車場から北西に標識がよく整備された周回ルートを山頂まで登り、穴ヶ乢ルートを通って下山すると2時間弱かかるが、山頂から元来た道を戻るだけでもよい。その場合、所要時間はおよそ80分に短縮される。
※中国地方:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県を含む、日本の本州西部を占める地域。
No.012-021
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■大宮踴
傳統舞蹈「大宮踴」(大宮舞)是真庭市盂蘭盆節慶典儀式中重要的演出環節。盂蘭盆節是佛教節日,據說祖先們的靈魂會在這期間暫歸人世。
每年夏天,日本全國各地都會舉行為期三天的盂蘭盆節,這是日本文化活動中最盛大的節日之一。子女要從各地返鄉與家人聚餐,並一同到家族墓地祭拜。盂蘭盆節通常在一場熱鬧的集體舞「盆舞」中落幕,以此表達對祖先之靈歸家的歡迎。伴隨著鏗鏘有力的太鼓鼓點和你來我往的誦唱,整個舞蹈往往聲勢浩大。
然而,真庭市的盆舞卻與其他地方不同,格外收斂、莊重。這裡的盆舞被稱為「大宮踴」,舞步、動作都舒緩、精確,只用輕快的誦唱和一個手鼓作為伴奏。相傳,大宮踴舞者的手姿和前後來回移動的舞步,是模仿狐狸機敏警戒的模樣。在日本,狐狸被視為雨水與豐收的象徵,對於農業社會來說,這兩者都非常重要。
舞蹈與豐產之間的聯繫並不僅限於農業。自古以來,大宮踴始終也是整個蒜山地區年輕人之間相識、相戀的機會,在舞會上結識的愛侶往往都會結婚生子,維繫社區的下一代。大宮踴裡有一個與眾不同的部分淋漓展現了繁衍後代的渴望:兩名舞者一個手持研磨芝麻的缽,另一個拿著木杵,用它們代表人體器官,模擬男女交合。除了幫助有情人締結姻緣之外,這個節日也是道德約束較為鬆弛的時候。節日期間允許自由戀愛,如果在這幾天裡懷上孩子,無論母親的婚姻狀態如何,都值得祝福。
7、8兩月間,會有多次大宮踴舞蹈活動分別在全市各個地方上演。不同街區的舞步有細微的區別,目光敏銳的當地人根據某人表演的大宮舞版本,就能判斷他住在哪一帶。8月15日,重頭大戲在福田神社上演,最後一場煙火表演把節日帶向高潮。這座神社又被稱為「大宮樣」(о̄miya-sama),正是「大宮踴」之名的由來。神社中心區域的前方有一個帶屋頂的舞蹈場地,擁有這樣特徵的建築如今已經很少見了。在全年的大部分時間裡,這裡都是祈禱和向賽錢箱(功德箱)投擲硬幣的場所。可每到這個節日,人們就會將賽錢箱移開,為大宮踴騰出場地。
大宮踴表演的另一大重要場所,是一座名叫「吉森堂」的小木殿。舞者在有著400多年歷史的阿彌陀佛木像的注視下翩然起舞。殿後及其右邊(新建倉庫對面)有一片墳墓,其中最古老的應該可以追溯到西元14世紀早期。它們的存在證明了這個神聖場所的悠久歷史。
另外,大宮踴還有一個特別之處——シリゲ(shirige)。這是一種剪紙裝飾,懸掛在舞蹈場地上方的長方形大燈籠底部。這些手工製作的和紙被精心剪刻成各種形象,有構圖簡單的水果、蔬菜,也有精緻到堪比浮世繪大師作品的和服婦女和風景。這些精巧的藝術品多在冬季創作,漫天風雪之中,人們更樂於想像溫暖的季節與歡樂的節日。遊客全年都可以在蒜山鄉土博物館欣賞到許多精美的剪紙作品和大宮踴影片。
大宮踴的確切起源與時間已經無從確認,但與古代宮廷舞蹈的相似性足以證明,這種舞蹈至少已有千年以上的歷史。真庭市四面高山環繞,直到最近在地理上幾乎還是與世隔絕,所以這裡的大宮踴才能被原汁原味地傳承了數個世紀。1997年,鑒於其獨特的地域特色,以及作為現代盆舞先驅的淵源,大宮踴被指定為國家重要非物質民俗文化財產。
■大宮踊
大宮踊は、真庭のお盆の中心となる伝統的な踊りである。お盆とは、先祖の霊が現世に戻って来ると言われる仏教の祭日のこと。
毎年夏に3日間全国で行われるお盆は、文化的行事の中で最大の祭日の一つであり、子どもたちは帰省し、家族と一緒に食卓を囲み、墓参りをする。お盆は、帰って来た先祖の霊を迎える賑やかな盆踊りで締めくくられることが多い。太鼓を鳴り響かせ、声の掛け合いを特徴とする盆踊りは、通常、威勢の良い行事である。
しかし、真庭の盆踊りは他の地域と異なり、控えめで厳かだ。大宮踊と呼ばれるこの踊りは、ゆっくりとした正確な動きが特徴で、軽やかな唄と、手持ち太鼓ひとつのみが登場する。踊り手の手の位置や、前後に踏むステップは、用心深い狐の動きを模したものと言われている。日本では、狐は、雨と豊作のシンボルとみなされており、これらのどちらも農村にとっては非常に重要な要素である。
この踊りが豊作につながるというのは、農業に限った話ではない。大宮踊は昔から蒜山の若者の出会いの機会ともなっており、ここでの出会いが結婚につながり、次の世代に地域社会を支えてくれる子どもが生まれることも多かった。子孫繁栄への願いは、踊りの独特なひとコマ明確に示されている。2名の演者のうち1人がゴマをすりつぶすためのすり鉢を、もう1人が木製のすりこぎを持ち、性器に見立てることで、男女和合を表現する。この祝祭は、結婚を促す役目を果たす以外に、習律が緩む期間でもあり、祭りの間は自由恋愛が許された。この期間に子どもを身ごもった場合には、母親に配偶者が居ても居なくても、母親への祝福と考えられていた。
大宮踊は、町中のあちこちで7月と8月に数日間実施される。踊りの動きは地区により少しずつ異なるため、鋭い目を持つ地元民であれば、どの種類の大宮踊なのか、見るだけでその人の住む場所を言い当てることができる。8月15日に福田神社で行われるメインイベントは、打ち上げ花火で締めくくられる。この神社は「大宮様」とも呼ばれ、これが大宮踊の名前の由来である。この神社の中心部の前方には、屋根付きの踊り場がある。この種の建築の現存例としては、まれなものである。ここは一年の大半の期間は、参拝客が賽銭箱にお賽銭を投げ入れる場所となっているが、お祭りの期間中は、賽銭箱は取り払われ、踊り手のための場所となる。
大宮踊のもう1つの重要な開催地は、「吉森堂」と呼ばれる木造の小さなお堂である。400年前に作られた木造の阿弥陀仏像が見守る中、踊りが踊られる。お堂の後方と右手(新しい倉庫の反対側)にはお墓がひっそりと並んでおり、最も古いものは14世紀初期のものと考えられる。その墓が、この場所が長らく神聖な場所であり続けてきたことを物語っている。
他に、大宮踊のユニークな特徴として、シリゲ(Shirige)が挙げられる。シリゲは、紙を切抜いて作った装飾品で、踊り場の上に吊るされた長方形の大きな提灯の底からぶら下がっている。手漉きの和紙を丹精込めて切ったもので、果物や野菜などの単純なデザインから、浮世絵師の作品に匹敵するような、着物の女性や風景を表現した精巧なものまで、様々な種類がある。こうした繊細な芸術品は、雪に閉ざされた地元の人々が、暖かな天気や陽気なお祭りの時期を夢想しながら作られることが多い。シリゲの美しい作品の数々や大宮踊の動画は、蒜山郷土博物館で年中観覧することができる。
大宮踊の起源に関する正確な情報は不明だが、古代の朝廷の踊りと類似していることから、1,000年以上の歴史があると考えられる。四方を山に囲まれた真庭は、ごく最近まで地理的に孤立していたため、この盆踊りは何世紀もの間、そのまま伝承されてきた。1997年、大宮踊はその特有の地域性と、現代の盆踊りの先駆けとしての役割が評価され、重要無形民俗文化財に指定された。
No.012-022
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■蒜山乳製品
蒜山是日本最大的澤西牛繁育地。這個品種的乳牛主要用於產出牛奶,而蒜山也作為美味乳製品的產地,贏得了廣泛讚譽。
1954年,為了充分開發蒜山地區不適宜耕作的半天然草地,當地從紐西蘭引進了一批澤西乳牛。人們更熟悉的也許是黑白相間的荷蘭乳牛,澤西乳牛體型只有前者的三分之二左右,產奶量差不多也是荷蘭乳牛的三分之二。澤西牛所需飼料比大型荷蘭牛少,並且牠們吃下的飼料能更有效地轉化為牛奶,而非體重增長。高資本產出比、健壯的體格,再加上溫和的性情,使得澤西乳牛成為了蒜山發展酪農業的理想選擇。如今這裡共飼養大約2000頭澤西乳牛。
澤西牛奶的乳脂肪成分接近5%,與荷蘭牛奶的4%左右相比,前者更加濃郁醇厚。除了鈣質和維生素,澤西牛奶的乳脂肪裡還富含抗氧化物β胡蘿蔔素,因此蒜山牛奶呈淺淺的淡黃色澤,使之獲得了「黃金奶」的美名。此外,澤西牛奶的蛋白質和脫脂固形物含量也略高,令其擁有更加濃稠的質感。
這些乳牛通常在山間草地上放牧,因此產出的牛奶也體現了在地風味。「在地風味」這個詞通常用在葡萄酒的描述中,主要表示一個地區的土壤、地形、氣候等各方面因素對產品口味所產生的綜合性影響。新鮮牛奶、霜淇淋、優酪乳、手工起司……遊客可以在許多當地乳製品中感受到這種獨特的蒜山風味。各類景點、超市、便利商店和旅館通常都提供相關乳製品。有的小工廠會在路邊豎起招牌,直接賣給路過的遊客。
■蒜山の乳製品
蒜山は、日本最大のジャージー牛の生産地である。主に牛乳を生産するこの乳牛のおかげで、蒜山はおいしい乳製品の生産地として、高く評価されている。
1954年、農作に不適当とされた蒜山の半自然草地を利用すべく、ニュージーランドからジャージー牛の群れが輸入された。ジャージーは、おなじみの白黒模様の乳用種であるホルスタインのおよそ3分の2の大きさだが、その大きさに比例する量のミルクを生産している。ジャージーはまた、大型のホルスタインと比べて必要とする飼料が少なく、摂取した飼料を、体重を増やすよりも高い割合でミルクに変換することができる。その丈夫さと従順な気質に加え、効率的にミルクを生産できることから、ジャージー牛は蒜山の酪農業の確立をはかる上で理想的だった。現在、およそ2,000頭のジャージー牛が飼育されている。
ジャージー牛乳の乳脂肪分は5パーセント近くで、およそ4パーセントのホルスタインと比較して非常に濃厚な味わいを楽しめる。脂肪には、カルシウムやタミンに加え、高い水準の抗酸化物質、ベータカロチンを含有しているため、蒜山の牛乳はごく淡い黄色の色合いをしており、「ゴールデンミルク」とも呼ばれている。また、ジャージー牛乳は、タンパク質と無脂固形分がやや多いなど、組成における濃度が全体的に高くなっている。
この乳牛は、主に山の草地で放牧されるため、ミルクの味もまた、地域のテロワールを反映したものになる。テロワールは、ワイン用のブドウに使用されることが多い用語で、土壌、地形、気候の組み合わせが生産物の味に与える影響を指している。この蒜山独自の特徴は、新鮮なミルク、ソフトクリーム、ヨーグルト、職人技のチーズなど、多くの地元の乳製品を通して味わうことができる。こういった製品は、観光施設、スーパーマーケット、コンビニ、宿泊施設において、広く販売されている。また、一部の小規模の生産者は、道路脇に看板を出し、通りすがりの旅行者に向けた直接販売を行っている。
No.012-023
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■蒜山的土壤
蒜山的生活,大多與土壤有關。
這個地區的土壤主要是一種名叫「火山灰土」的黑色火山土,當地方言稱「黒ぼこ」(kuroboko),意思是黑疙瘩。火山灰土顏色暗沉,質地疏鬆多孔,由火山灰、凝灰岩和浮石等火山噴發物組成。此外,它的鋁含量很高,以至於土壤中含有的磷酸鹽很難被溶解。喜愛園藝的人都知道,磷酸鹽是植物生長所需的重要礦物質之一,不易溶解,也就意味著農作物無法從火山灰土組成的土壤中吸收到足夠的磷酸鹽。因此,蒜山的土壤條件長久以來都被認定為不適合農耕。
在二戰後糧食匱乏的年代裡,日本發起了全國性的農地開墾運動,這導致磷酸鹽肥料也開始大量生產。火山灰土原本就兼具良好的透氣性和保水性,而且土質鬆軟,易於耕種。人們透過特定的肥料解決了磷酸鹽的吸收問題,蒜山的土地變成了理想的農田。
這裡的黑疙瘩土特別適合種植口味清淡的大根,這種白蘿蔔在日本廣受歡迎。大根的周長介於10~15公分之間,長度可達60公分,深深地紮在土地裡,是名副其實的「大根」。蒜山鬆軟的土壤能讓大根長得筆直且周正,而土壤中蘊含的礦物質和水分則確保它們能夠兼具豐富的營養和脆嫩多汁的口感。在日本,食材的品相與風味常常同樣重要,「蒜山大根」這個品牌因此廣受歡迎。造訪真庭的旅行者可以在「風之家」買到這種蘿蔔。風之家是分佈在全國各地公路旁的「道之站」連鎖店之一,各地的道之站均有當地農作物和土特產品出售。
矽藻土也是蒜山土壤名氣的一大來源。這是由一種微型浮游植物「矽藻」的化石形成的沉積土層,富含二氧化矽。大約50萬年前,火山岩屑崩塌堵塞了河道,洪水淹沒了該地區,最終在蒜山盆地形成了一個堰塞湖。生活在湖水中的矽藻死去後,屍骸沉到湖底,漸漸形成了一個將近100公尺厚的沉積層。
矽藻土具備重量輕、疏鬆多孔等特點,因此被廣泛使用於絕緣隔熱材料、牙膏研磨劑、有機殺蟲劑、釀造以及食品加工過濾裝備等產品的加工製造中。隨著蒜山矽藻土中提取的二氧化矽在日本海內外得到廣泛使用,矽藻土開採本身也成為了當地的一大主要產業。
矽藻土在蒜山的許多手工藝品製作和當地商業中也佔有一席之地。比如,真庭的手工藝匠人會製作一種被稱為「鄉原漆器」的特殊漆器,製作過程中,有一個步驟是拋光木頭表面,以備上漆。工匠們都以使用當地原材料為傲,因此,這一步自然也就使用矽藻土來替代砂紙。
另一個紮根於蒜山土壤的特殊產業,就是選用當地產的葡萄釀造葡萄酒。這種葡萄被稱為「山葡萄」(Vitis coignetiae),是當地特有野生品種,生長在周邊的高山上。蒜山葡萄酒廠花了10餘年時間來選育最甘甜的葡萄植株,進而釀造出如今仍在出品的各種山葡萄酒、香甜酒、果汁和果醬。而酒廠發酵桶中的過濾工作,就是由當地矽藻土擔綱完成的。
藉由地質活動和人類智慧的結合,蒜山高原的肥沃土壤為實現當地繁榮打下了厚實的基礎。
■蒜山の土壌
蒜山の生活を掘り下げてみると、多くがその土壌に行き着く。
この地域の土の大部分は、「アンドソル」として知られる黒い火山性土壌の一種で、地元の方言では「黒ぼこ」と呼ばれる。灰、凝灰岩、軽石などの火山噴出物に由来するアンドソルは、暗黒色で、多孔性に富む。また、アルミニウムの含有率が高く、土壌に存在するリン酸塩を不溶化する。園芸家には周知の事実であるが、リン酸塩は植物の成長に欠かせない重要なミネラルのひとつである。アンドソルでは、天然のリン酸塩が不溶化するため、農作物は土壌から十分なリン酸塩を吸収することができない。このため、蒜山の土壌は農業には不向きであるとされてきた。
しかし、第二次世界大戦後の食糧難の時代に、より多くの土地を農業として活用するよう、全国的な取り組みが実施された。その結果、リン酸塩の肥料が、広く生産され始めた。アンドソルは元来、通気性が良く保水性にも優れており、さらに軟らかく耕しやすい。的を絞った施肥によってリン酸塩の取り込みの問題が解決すると、蒜山の土壌は農業にうってつけとなった。
蒜山の黒ぼこの土壌は、特に日本人に愛されているマイルドな味がするダイコンに適している。胴回り10~15センチメートル、最長60センチメートルの「大きな根」が、地中深くに埋まっている。蒜山の土壌は柔らかいため、ダイコンの根はまっすぐ成長することができ、一方、土壌を構成するミネラルとその保水性により、みずみずしく栄養価の高いダイコンを育む。見た目が味と同様に重視されることが多い日本では、「蒜山大根」ブランドは、人気を獲得している。真庭では、地元の農産物や特産品を取り揃えた道路沿いの休憩施設で、全国にいくつも設置されている道の駅の一つである風の家において、このダイコンを購入することができる。
また、蒜山の土壌は、珪藻土が含まれることでも注目される。珪藻土は、珪藻と呼ばれる非常に小さな植物性プランクトンの化石でできた、シリカを豊富に含む堆積物の層である。およそ50万年前、岩屑なだれで川がせき止められて冠水し、蒜山盆地に湖が形成された。水中で生息する珪藻は死滅し、漂いながら湖の底に積もり、やがて、厚さ約100メートルの堆積層を形成した。
珪藻土は、重量が軽いことと多孔性であることが特徴である。そのため、珪藻土は断熱材、歯磨き粉の研摩剤、有機殺虫剤、醸造や食品製造で使われるフィルターなど、様々な用途に用いることができる。蒜山の珪藻土から採掘したシリカは日本と海外の両方で使われており、主要な地場産業となっている。
珪藻土は、蒜山の手工芸品や地元企業の多くに活用されている。例えば、真庭の職人は「郷原漆器」と呼ばれる独特のフォルムの漆器を作る際、漆を塗る前に木の表面を滑らかにするため、研磨剤を必要とする。地元産の原材料を使うことに誇りを持つ職人は、紙やすりの代わりに珪藻土を使用している。
蒜山の土壌に「根ざした」その他のユニークな産業としては、地元産のブドウを使ったワインづくりが挙げられる。山ぶどう(学名:Vitis coignetiae)として知られるブドウの固有種は、周囲の山に自生しているが、ひるぜんワイナリーでは、10年以上をかけて最も甘いブドウの木を選び、栽培することで、現在も製造している山ぶどうのワイン、リキュール、ジュース、ジャムなどを生み出した。ひるぜんワイナリーの発酵タンクのろ過工程では、地元の珪藻土を使っている。
地質学的活動と人間のアイデアの組み合わせによって、蒜山高原の豊かな土壌は、地域社会の繁栄を実現するための肥沃な土台となっているのである。
No.012-024
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■糯米菜飯:蒜山的暖心美食
只需一口有著兒時記憶的心愛食物,就能給人帶來幸福與思鄉的情感。對於許多蒜山人來說,這種暖心美食就是糯米菜飯「おこわ」(okowa)。
糯米菜飯是個統稱,包括了以蒸糯米作為主要食材的各種口味的飯食。許多地方都有自己的糯米菜飯版本,所搭配的食材種類與比例均各有特色。在蒜山,傳統的做法是加雞肉,再搭配野山菜、香菇、蜂斗菜莖、牛蒡根、胡蘿蔔、栗子和白果一同烹製。將所有材料混合均勻,再加入醬油簡單地調味提鮮後,就可以享受一份營養豐富、又能給人帶來十足飽腹感和滿足感的美食了。
蒜山糯米菜飯是節慶特餐,通常只在節日、生日、畢業慶祝等招待客人的特殊日子才準備。烹製糯米菜飯需要花費很多時間和精力,比如糯米,就必須提前幾天浸泡。野山菜必須新鮮採摘,栗子、白果、蜂斗菜莖之類的食材都需要先川燙、剝皮處理後再泡發。雖然如今去超市購買所需材料也能省下一些步驟,但烹調這道特別的料理依然有許多工作需要完成。人們認為,最後端上桌的不只是一道料理,其中還蘊含著對享用美食者的愛與敬意,而這重意義又為餐桌添加了別樣的幸福感。
遊客在真庭一帶的許多餐廳都能品嘗到這道暖心美食。
■おこわ:蒜山の心安らぐ料理
子どもの頃の思い出に刻まれた大好きな料理を一口食べるだけで、幸せな気持ちと懐かしさが蘇る。蒜山の多くの人々にとって、そんな心安らぐ料理と言えば、おこわである。
おこわは、蒸した粘り気の強い米を主な材料とした、香ばしい米料理の総称である。地域ごとに多くのバージョンがあり、それぞれ米とともに調理する材料の種類や数が異なる。蒜山では鶏肉に山菜、椎茸、ふき、ごぼう、人参、栗、銀杏などを加えたレシピが一般的である。これらを混ぜたものを醤油で軽く味付けして旨味を加えると、満腹感&満足感のある、とても栄養価の高いおこわが出来上がる。
蒜山おこわは、お祭りや誕生日、卒業式など、特別な行事にあわせて客人に振舞われることが多い、おめでたい料理である。おこわを作る際には、事前に米を何日も浸しておく必要があるため、多大な時間と労力が必要となる。山菜を摘んだり、栗、銀杏、ふきなどは茹でて皮をむき、浸しておいたりしなければならず、手間がかかる。今はスーパーマーケットに行けばこういった作業の一部は省略できるが、それでもこの特別な料理を作るのは一朝一夕にはいかない。こうして完成したおこわは、食べる者への愛情と敬意を表現するものして、食卓に新たな喜びをもたらす。
真庭にある数多くのレストランで、おこわを楽しむことができる。
No.012-025
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■蒜山炒麵:在地風味的經典美食
在日本,日式炒麵幾乎是在所有便利店以及節慶攤點上都能找到的國民美食。這道經典佳餚通常是將豬肉、高麗菜和麵條一起放在鐵板上翻炒,然後加入英式黑醋(也稱喼汁或辣醬油)和黃豆醬油配製的甜味醬汁調味而成。然而,蒜山炒麵有自己獨特的地方。
當地人在做這道料理時保留了勁道的麵條,卻把配料換成了滋味濃郁的母雞肉、口味甘甜的蒜山高麗菜和鮮味濃郁的味噌醬。蒜山的炒麵向來被視為地方美食而受到喜愛,在贏得全國B級美食大賽冠軍後,更是備受讚譽。(所謂「B級美食」,就是價格親民、美味可口,且帶有明顯地方風味的食物。)
這道料理之所能脫穎而出,部分功勞要歸於美味的雞肉。如今市場上出售的雞肉大多是僅僅飼養了6~7星期的嫩肉雞。而蛋雞的產蛋週期最長為一年半,在此之後才會被送入市場。據說,這種蛋雞年齡大,所以體型也大,肉質更結實,味道也更好。過去,小型農場曾提供這個年齡段的食用母雞,因此,人們有時會將它們獨有的風味形容為「懷舊的味道」。
蒜山炒麵的另一大特色,在於使用味噌作為底味調製的醬汁。雖然原料都不外乎味噌、洋蔥、大蒜和蘋果等材料,但每戶人家、每個餐館都有自家的獨門醬汁配方。配方通常都是保密的,但也有廚師會公開自己的主要材料,比如用桃子代替蘋果。對當地食客而言,選擇自己喜歡的餐廳也是生活中的一件樂事。
■ひるぜん焼きそば:ご当地グルメの定番
焼きそばは、日本のほぼすべてのコンビニやお祭りの屋台でみられる、人気の麺料理だ。この昔ながらの焼きそばを作るには、鉄板の上で麺を豚肉、キャベツ、ウスターソースと醤油で作る甘いソースと合わせて炒める。しかし、蒜山では、ご当地ならではのひねりを加えている。
蒜山でも同じもちもちした麺を用いるが、これを風味豊かな親鶏の肉、地元産の甘いキャベツ、旨味に富んだ味噌ソースと合わせて調理する。ソウルフードとして長く大切にされてきたひるぜん焼きそばは、いわゆるB級グルメの全国大会で勝利したことで、広く認知されることとなった。(B級グルメとは、手頃でボリュームのある郷土色豊かな料理のこと。)
この料理が傑出している所以の一つは、肉の味が良いことだ。現在販売されている鶏肉のほとんどは、6~7週間飼育された、柔らかい若鶏のものである。一方、採卵鶏は、最高1年半にわたり繁殖能力を有し、その後になって初めて、市場に送られる。採卵鶏は、年齢を重ね、体も大きくなっているため、肉の密度が上昇し、より一層豊かな風味を生むと言われている。伝統的に、小さい飼育場では、この段階のめんどりのみを食用にしていたため、この肉の独特の味は、「ノスタルジック」と表現されることもある。
他に、ひるぜん焼きそばの特色として、味噌ベースのソースが挙げられる。このソースは基本的に、味噌、玉ねぎ、にんにく、りんごを混ぜ合わせて作るが、各家庭とレストランが、独自のレシピを持っている。配合の正確な情報は秘伝とされていることが多いが、りんごを桃で置き換えるというように、主な材料を公開する料理人もいる。お気に入りの店をかたくなに贔屓にするのも、地元ならではの楽しみ方である。
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■蒜山葡萄酒廠的山葡萄酒
蒜山葡萄酒廠從1987年便開始出產當地特有的葡萄酒,釀酒的原料是一種名為「山葡萄」的野生葡萄。
■什麼是山葡萄?
山葡萄(Vitis coignetiae)是一種光澤深紅的葡萄,果實小而酸。這是一種遍佈全日本的野生葡萄品種,但受氣候影響,蒜山的山葡萄果實顏色更深,口味也略甜。它們的單果直徑在1公分左右,籽大且多,因此,比其他選育品種果汁少很多。但山葡萄果汁中的多酚含量卻特別高,據說其中含有的抗氧化物非常有益於健康。
■怎樣種植山葡萄?
早在1979年,酒廠就開始嘗試種植適合釀酒的山葡萄,而確定如何栽培是一個漫長的實驗和試錯過程。第一步,是挑選合適的葡萄植株。蒜山一帶生長著大約1000株山葡萄,酒廠需要選出甜度最高、酸度最低的植株加以栽培,單單這一步,就花了差不多10年時間。
選定植株種下後,又花了5年等待葡萄樹成熟並開始結果。還花了很長時間研究葡萄架的搭建,經歷了無數次的失敗,終於才找到正確的方式幫助使葡萄架能够耐得住蒜山地區的大雪。通常葡萄園是將葡萄樹縱列分行栽種,在這裡,則使用大約2公尺高的水平吊棚,將多株葡萄樹集中栽種,促使葡萄樹一起生長。因為這樣植株才能順利度過大雪紛飛的季節,防止葡萄樹在雪堆中被凍住。
蒜山葡萄酒廠目前已建成8萬平方公尺的葡萄園,每年產出18~20噸山葡萄。只是園中的葡萄植株依然需要持續不斷的精心呵護,而這種呵護並不僅限於常規的剪枝和檢查。比如,幾乎所有人工培育的葡萄都能實現自花授粉,因為它們的花朵都自帶雌蕊和雄蕊,而山葡萄卻是雌雄異株。雄性植株雖不結果實,但仍必須在附近種植,以便進行授粉,雌雄異株的特性,也是山葡萄產量受限的一個因素。為了提高產量,需要確保盡可能多的雌花能夠成功授粉。
■山葡萄酒有哪些種類?
蒜山葡萄酒廠出品100%山葡萄釀製的紅葡萄酒和粉紅葡萄酒。此外,也有一些混合品種,其中一款紅酒加入了「山葡萄·赤霞珠」的變種(山葡萄與赤霞珠的雜交品種)混合釀製,另一款白葡萄酒則是與神戶的霞多麗葡萄混合釀製。發酵過程在現代不鏽鋼發酵桶內完成,紅酒熟成則是存放在法式橡木桶中進行,這種木桶尤其適用於引發出葡萄本身的濃郁風味。釀製完成的葡萄酒酒體飽滿,色澤深邃,單寧卻出奇的少,酸度高,很適合長期存放。
近年來,蒜山葡萄酒廠的山葡萄酒頻頻在「日本葡萄酒挑戰賽」上獲獎,這些成果證明酒廠40年來孜孜不倦栽培本土野生葡萄的努力終於獲得了成功。
■ひるぜんワイナリーの山ぶどうのワイン
ひるぜんワイナリーは1987年より、山ぶどうという野生のブドウの一種から個性あふれる地ワインを製造している。
■山ぶどうとは
山ぶどう(学名:Vitis coignetiae)は、酸味のある小さな実をつける、光沢のある深紅色の野生ブドウの一種である。この植物は全国に自生しているが、蒜山では気候が異なるため、色がより濃く、やや甘めのブドウができる。実は直径約1センチで、大きな種子がいくつか入っているため、他で栽培される種と比べ、果汁の量が大幅に少ない。しかし、その果汁は、健康に様々な恩恵をもたらすとされる抗酸化物質を含有するポリフェノールを非常に多く含んでいる。
■栽培方法
ワイン生産のための山ぶどうの栽培方法を決めるにあたり、1979年から長期にわたって試行錯誤が繰り返された。まずは、基となるブドウの木を選ぶことであった。蒜山周辺に自生していた約1,000本のブドウの木から糖度が最も高く酸味が最も少ないものを選び、栽培にこぎつけるまで、10年の歳月を要した。
定植後、成熟して実をつけ始めるまでには、さらに5年が必要であった。また、蒜山の大雪に耐えられる、最も効果的なつる棚の仕立て方に行き着くまでには長い時間がかかり、数多くの失敗を繰り返した。一般的なぶどう園では木を縦の列に分けて植えるが、蒜山では、高さ約2メートルの水平なつる棚で、複数のブドウの木が一緒に生育するよう促している。木が雪の吹きだまりの中で凍ってしまうのを防ぐ工夫だ。
ひるぜんワイナリーでは、現在、ぶどう園の敷地として8万平方メートルを確保し、毎年、18~20トンの山ぶどうを生産している。しかし、ここに生えるブドウの木は、通常の剪定や管理だけでなく、常時手入れを必要とする。例えば、栽培ブドウはほぼすべてひとつの花に雄しべと雌しべがあるため、自家受粉する。一方、山ぶどうの場合は、雌雄異株である。雄の植物は果実を作らないが、授粉のためには、近くで栽培しなくてはならない。この雌雄異株の性質は、全体の生産量を低下させるもう1つの要因となっている。生産量を増やすためには、できる限り多くの雌花を受粉させる必要がある。
■生産するワインの種類
ひるぜんワイナリーでは、山ぶどう100パーセントの赤ワインとロゼワインを作っている。また、ブレンドの商品もいくつか生産しており、ヤマ・ソービニオン(山ぶどうとカベルネソービニヨンの異種交配種)をブレンドした赤ワインや、神戸のシャルドネのブドウをブレンドした白ワインなどがある。生産は現代的なステンレスの発酵タンクで行われるが、赤ワインの熟成には、ブドウの濃厚な味わいを引き出すのに特に適したフランスのオーク樽を用いている。こうして、深い色合いや驚くほど少ないタンニン、長期熟成にふさわしい強い酸味を特徴とする、フルボディのワインが生まれる。
近年、ひるぜんワイナリーの山ぶどうのワインは、「ジャパン・ワイン・チャレンジ」で頻繁にメダルを獲得しており、これは40年かけてこの自生植物を栽培してきた努力が実を結んだことの証しである。
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■探訪蒜山葡萄酒廠
歡迎駕臨蒜山葡萄酒廠的「コアニエ」(koanie)。這裡於2010年正式對外營業,內設咖啡廳、商店和展示當地野生山葡萄酒的試飲櫃檯。
■咖啡廳
咖啡廳提供為搭配蒜山葡萄酒而特別開發的料理,所有餐品均採用當地的新鮮食材烹製。遊客可以嘗試豐盛的午間套餐,套餐裡包含了時令菜品以及麵包和湯類。此外,當地澤西牛肉製作的美味咖喱牛肉,以及日式慢烤牛肉蓋飯也是不錯的選擇。葡萄酒可以按杯點,並且配有橄欖、堅果和各色當地起司等佐酒小食。餐後還有山葡萄霜淇淋作為甜點。就餐時,無論是坐在灑滿陽光的室內餐廳欣賞四面山色,還是在露天中庭裡享受悠閒時光,都是令人身心放鬆的樂事。
■試飲櫃檯
遊客可以在試飲櫃檯品嘗精選的蒜山葡萄酒。櫃檯至少備有10種酒品,根據選擇不同,有些是免費贈飲,有些則收取少許費用。知識淵博的工作人員(多半就是老闆本人)隨時準備為遊客答疑解惑。
■商店
葡萄酒商店裡出售蒜山葡萄酒廠的全系列產品,包括使用100%山葡萄釀製的人氣系列「蒜山」、混合品種釀製的「三座」系列、曾獲大獎的「岡山先鋒」甜酒等。此外還有酒廠自產的白蘭地和各類香甜酒,比如使用山葡萄酒糟蒸餾而成的烈酒——酒渣白蘭地,以及單獨飲用或調製雞尾酒都很美味的酸味山葡萄果汁。商店還提供當地出品的起司和罐裝鹿肉等各類當地特產,最適合用來餐前佐酒。
■參觀行程
一條櫥窗走廊從商店直通酒廠生產區域,遊客可以看到發酵桶、灌裝和蒸餾設備的工作情況。房屋後面有一片小葡萄園,可供近距離參觀酒廠獨特的葡萄棚架、仔細觀摩山葡萄植株的模樣。
■義工
對山葡萄種植感興趣、有意親身參與山葡萄植株養護的遊客,可諮詢真庭遊客中心,瞭解相關詳情。
■ひるぜんワイナリー訪問
「コアニエ」へようこそ。2010年にひるぜんワイナリー内にオープンした「コアニエ」には、カフェ、ショップ、そして在来種である野生の山ぶどうの製品を取り揃えた試飲カウンターがある。
■カフェ
カフェスペースでは、ひるぜんワインとよく合う、地元の食材を使った出来立ての料理を提供している。おなかいっぱい食べられる旬の農産物を使った日替わりのランチセットには、パンとスープがセットになっている。また、地元のジャージー牛を使った風味豊かなビーフカレーやローストビーフ丼も楽しめる。ワインはグラスで注文でき、オリーブ、ナッツ、地元のチーズの盛り合わせなど、軽いおつまみも取り揃えている。デザートには、山ぶどうのソフトクリームもある。日当たりの良い屋内のダイニングルームで、周囲の丘を眺めながらリラックスした時間を過ごすことも、中庭で屋外の食事を楽しむこともできる。
■試飲カウンター
試飲カウンターでは、観光客は、選りすぐりの蒜山ワインを試飲することができる。常に少なくとも10種のワインを用意しており、ものによって無料または安価で楽しむことができる。知識豊富なスタッフ(しばしばオーナー自身)が質問に答えてくれる。
■ショップ
ワインショップでは、人気が高い山ぶどう100パーセントのひるぜんシリーズ、ブレンドワインの三座シリーズ、受賞歴のあるデザートワインの岡山ピオーネデザートワインなど、ひるぜんワイナリーのフルラインナップを揃えている。このショップではまた、自社製造のブランデーやその他の酒類、例えば山ぶどうの酒かすを蒸留して作った度数が強いグラッパや、それ自体でも、カクテルにしてもおいしい、酸味のある山ぶどうジュースなどを販売している。また、食前酒に最適な地元で生産されるチーズや、鹿肉の缶詰めなどの他の特産物も揃っている。
■ツアー
窓が付いた廊下がショップから製造エリアへと延びており、発酵タンク、瓶詰め機、蒸留装置が稼働する様子を見ることができる。建物の裏にある小さなブドウ畑では、独特の棚仕立てや、山ぶどうの木を間近で見ることができる。
■ボランティア
山ぶどうの栽培を直に学びたい、ブドウの木の手入れの手伝いをしてみたいと思う方は、真庭の観光案内所に詳細を問い合わせてみよう。
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■蒜山香草園
這座優雅的植物園坐落在「蒜山三座」之麓的山坡上,在這裡,能把鬱鬱蔥蔥的蒜山高原盡收眼底。園內被精心照料的景觀,展現了在人力與自然的交織中誕生的美麗與創造力。
■庭園
風光如畫的香草園採用傳統英式園林設計,園內種植著大約200種植物。來到這裡,推薦遊客使用所有感官去感受——不光有視覺享受,還能體驗香草植物多變的觸感與芬芳。每年4~10月,園內一直都有鮮花綻放。6月是花事最盛的時節,屆時五彩繽紛的玫瑰將爭奇鬥豔,香氣四溢。這座英式花園是主人親自設計並建造的作品:修整考究的小徑穿過枝繁葉茂的棚架;長椅置身於芬芳花朵的環繞之中;一座石頭小屋可供遮蔭避暑。
香草園深處西南側的山丘上種植著1萬株薰衣草,這是日本西部最大的薰衣草花田。每年7月,空氣中彌漫著紫色花朵散發的香氣,香草園迎來薰衣草收穫祭。園內種植了好幾種薰衣草,其中最多的是被稱為「夢幻」的英國品種。遊客可以親手剪下薰衣草帶回家,同時還能學習如何保存它們。鄰接薰衣草田的是藍莓園,園內種植著能夠抵禦當地寒冷冬季的北高叢品種。7月初,藍莓成熟,遊客可以一邊漫步園中,一邊摘下果實品嘗(收費)。到了冬天,這片山坡便化身為美妙的雪橇運動場。
這些排列整齊並被精心呵護的花床固然是園林栽培的典範,但同時也在自然的環抱之中,吸引著許多野生動物。留意觀察的話,遊客就能找到前來覓食的日本獾所挖的洞穴,牠們在日語裡被直白地稱為穴熊。灌溉池上方的樹上,綠色的森林樹蛙將泡沫似的卵塊掛在樹枝上,警惕地防備著覓食的日本縞蛇。當然,還少不了成群的鳥兒與蝴蝶,牠們也會來到這裡盡享這片花的海洋。
■餐廳
在通風良好的中央大樓一層,開著一家熱門的餐廳兼咖啡館。餐廳提供的食物均選用當地食材烹製,並用園中生長的香草和可食用花朵為美食增添風味。下午茶深受歡迎,內含店內烤製的司康配上當地澤西牛奶製作的凝脂奶油。此外,餐廳還提供蛋糕和色彩繽紛的自製花草茶,同類茶品在旁邊的商店裡也有出售。除了使用檸檬草和薄荷等常見原料外,這裡還有一些頗具創意的混合茶品,比如亮藍色的錦葵茶,它在滴入餐廳自製的檸檬糖漿後就會變成粉紅色。
客人可自由選擇坐在玻璃牆的餐廳內享用美食,還是在有遮陽傘的寵物友好露台上用餐,從露台上可以眺望橫跨蒜山盆地的山脈,以及被合稱為「蒜山三座」的三座山峰。山坡上蔥郁的草地為蒜山著名的澤西乳牛提供了廣闊的牧場。隨著季節更迭,高坡上的橡木林和山毛櫸林變幻出不同的絢麗色彩。露台的海拔較高,是當地風光的最佳觀景點之一。
■手工作坊
舒適的二樓有一個製作乾燥花和保鮮花的工坊,遊客可現場參加相關課程。一束束薰衣草和繡球花自裸露的房樑上垂下,靜靜等待風乾。客人可以使用事先搭配好的花朵材料,也可以從繁多的品種中自行挑選心儀的搭配,包括香草園中栽培的植物。
■蒜山ハーブガーデンハービル
「蒜山三座」の麓に青々と広がる蒜山高原を望む丘の中腹に位置するこの優雅な植物園は、入念に手入れされた景観によって、人と自然が織りなすことのできる美と創造性が表現されている。
■庭園
伝統的なイギリス式庭園に倣って作られたこの絵のように美しいハーブ園には、約200種類の植物が植えられている。ここに来れば、目で堪能するだけでなく、五感を総動員し、変化に富んだハーブの手触りや香りも楽しむことができる。4月から10月までは常時、何らかの品種が花を咲かせているが、6月には、多彩な色と香りを醸すバラが咲き誇り、最も美しい時期を迎える。オーナー自ら設計から施工まですべてを手がけたこのイギリス式庭園では、きちんと整備され、トレリスに葉が茂る通路、香りの良い花がベンチを囲み、日陰の休憩所として小さな石造りの小屋が設けられている。
ハーブ園の裏手の南西の丘には10,000株のラベンダーが植えられており、西日本で最大のラベンダー畑となっている。ラベンダーの紫色の花は、ハービルがラベンダー収穫祭を開催する7月になると、辺り一面にその香りを漂わせる。ハービルでは、数種類のラベンダーを栽培しているが、大半は、「ドリーム」と呼ばれるイギリス産の品種である。ラベンダーは切って家に持ち帰りできるほか、その保存方法を教えてもらうこともできる。ラベンダー畑に隣接するブルーベリー畑には、この地域の寒い冬に耐えることができる北部ハイブッシュ系のブルーベリーが植えられている。ブルーベリーが実を結ぶ毎年7月のはじめには、園内をそぞろ歩きながら、ベリーを採って食べることができる(有料)。冬になると、同じ斜面でそり遊びを満喫できる。
整然と並ぶ愛情を込めて手入れされた花壇は、栽培のお手本となっている。と同時にこの庭園は自然に囲まれているため、当地の多くの野生生物にとって、魅力的なスポットとなっている。注意深く観察すると、餌を探し回る二ホンアナグマが残した穴の存在に気付くであろう。灌漑池の上の木では、緑色の森青蛙が泡のような卵の塊を枝からぶら下げ、用心深い目で、獲物を探す縞蛇を見張っている。もちろん、広大に広がる花の海には、鳥とチョウの群れがやって来る。
■レストラン
風通しが良い中央の建物の1階には、人気のカフェレストランがある。地元の食材を使った料理には、ここで栽培されたハーブや食用花がアクセントとして添えられている。自家製のスコーンに地元のジャージー牛乳で作ったクロテッドクリームを添えたアフタヌーンティーは、人気メニューである。また、ケーキやカラフルな自家製ハーブティーを各種取り揃えており、併設の売店で購入することができる。レモングラスやミントなどの定番の他に、自家製のレモンシロップを加えるとピンクに変色する鮮やかな青色のマロウティーなど、独創的なブレンドティーもある。
食事をする際には、ガラス張りのダイニングルームか、ペット可のテラスを選ぶことができる。傘で日陰になっているテラスのテーブル席からは、蒜山盆地からつながる山々と「蒜山三座」を望むことができる。山の斜面には、青々とした草原が広がり、蒜山の名高いジャージー牛の放牧地となっている。また、高台の楢やブナの森は、移りゆく季節の色合いを見事に映し出している。標高の高いところにあるこのテラスは、この地域の絶好の見晴らし台の一つになっている。
■クラフトルーム
居心地の良い2階にはスタジオがあり、ドライフラワーやプリザーブドフラワーのアレンジメントのワークショップが開催されている。上を見ると、むき出しの垂木には、ラベンダーとアジサイの束が、乾燥のためにつるされている。あらかじめセットになった材料を利用するか、園内で栽培されたものを含む膨大な品揃えの中から、自身の好みで取り合わせることができる。
No.012-029
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■在蒜山騎行
風光如畫的「蒜山三座」之下,蒜山高原平緩的山丘正適宜騎行觀光。這裡可以租到適合各種要求和技術級別的自行車,包括山地自行車、越野自行車、公路單車和電動自行車等等,甚至還能找到雙人自行車。
環繞蒜山盆地的騎行小道總長約30公里,適合所有人群。路線涵蓋自行車專用道和當地街道(往來車輛通常不多),以及多處可以躲避日曬的休息區和公共廁所,是家庭出遊的理想選擇。不算中途休息時間,完成整個環線約需2.5小時。不過,路線沿途有許多非常誘人的熱門景點,包括蒜山香草園、鹽釜冷泉、蒜山葡萄酒廠和蒜山澤西牧場,因此,很容易就會在這條路上花費一整天的時間。
向經驗豐富的騎行者推薦幾條更有挑戰的路線:穿行真庭市各街區全長100公里的環線;足以令人筋疲力盡的大山公路賽環線——從真庭市出發,環繞鄰縣鳥取縣內高聳的「大山」,全程90.6公里。
穿行在蒜山寧靜平和的鄉村,騎行者可以一窺當地小農場的生活,性情溫和的澤西乳牛也許願意慢條斯理地走到圍欄邊來與你親近。喜歡慢慢消磨時間的人,可以在這一路上發覺到許多簡單的小快樂,比如,在小起司店鋪歇一會兒,在路邊小攤上挑選幾顆蔬菜。而對熱衷騎行,希望專注於高強度運動的人來說,則可以用溫泉浴來為一天的運動劃上完美的句號,「蒜山八塚溫泉」和具有健康治療效果的氡溫泉「高原之湯」都是很好的選擇。
即便在冬天,騎上自行車去遊玩蒜山也是可行的,蒜山自行車服務中心提供雪地騎行路線。帶有釘紋的加寬輪胎能在結冰的路面上提供額外的抓地力。登頂者會得到令人驚歎的賞賜,他們的眼前將呈現出縹緲的高山聳立在皚皚雪原上的壯美畫面。
一年四季,騎行都是享受蒜山風光、體驗當地文化的絕妙方式。
■蒜山サイクリング
絵のように美しい「蒜山三座」の峰を背景に、なだらかに傾斜した丘が広がる蒜山高原は、自転車で散策するのに快適な場所である。マウンテンバイク、クロスバイク、ロードバイク、電動自転車、そしてタンデム自転車まで、目的やレベルに合わせて選べるレンタサイクルが用意されている。
蒜山盆地を囲むように、誰でも楽しめる約30キロメートルのサイクリングロードが敷かれている。このルートには、自転車専用道と、一般道路(通常、交通量は少ない)が設置されている。また、日陰で休める休憩場所や公衆トイレが複数設置されているので、家族連れでのお出掛けに最適である。休憩なしの場合の所要時間は一周およそ2時間半だが、このルートはハーブガーデンハービル、塩釜冷泉、ひるぜんワイナリー、ジャージーランドなど、この地域で最も人気の高い観光スポットの近くを通過するため、自転車の旅は一日がかりになりがちである。
経験豊富なサイクリストは、このエリアの難関コースの一つに挑戦するのもいいだろう。難関コースには、真庭を構成する近隣の地区を一周する100キロのルートや、過酷なレース「ツール・ド・大山サイクリングルート」がある。後者は真庭をスタートし、隣接する鳥取県にそびえる大山の周りを回る90.6キロのコースである。
蒜山の静かな農村地帯を自転車で走ると、小さな地元の牧場の暮らしぶりが垣間見られる。牧場では人懐こいジャージー乳牛が柵のところで出迎えてくれるかもしれない。ゆっくり時間をかけて楽しみたければ、途中で小さなチーズショップに立ち寄ったり、道路脇の売店で野菜を選んだりするのも気晴らしになる。厳しい練習を目的に訪れる熱烈なサイクリストなら、1日のサイクリングの締めくくりとして、「蒜山やつか温泉」や、「高原の湯」の健康回復に効果的なラドンの湯につかるのもおすすめである。
「蒜山サイクリングサービス」が運営する雪上サイクリングツアーに参加すれば、冬でも自転車で蒜山を見て回ることができる。スタッド付きの太いタイヤは静止摩擦に優れ、氷で覆われた道路でもグリップ力を発揮する。手付かずの雪で覆われた野原の上に、霧が立ち込める峰がそびえ立つ姿は、まさに絶景である。
サイクリングは、蒜山の風景を楽しみ、その地方文化を体感する素晴らしい手段であり、1年を通して楽しむことができる。
No.012-030
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■勝山:傳統街景與當代藝術
昔日的城下町(圍繞城堡修建的城市)勝山坐落於岡山縣北部的旭川河岸,地理優勢讓它早在江戶時代(1603-1867)便成為了一個富裕的商業城市。河道中,旭川將原木從當地木材產地順流送達下游的碼頭;陸地上,出雲街道連接起西部日本海沿海諸市以及兵庫縣南部的姬路市,往來運輸各種貨物。
勝山的主街一帶如今是歷史保護街區,街道兩旁精美的住宅、商店和倉庫都是當年商人們修建的。狹窄的街道旁排列著雙層的房屋,每一棟都有白灰泥的正牆,木格子窗,屋頂的陶瓦一片疊著一片,店鋪門面與鋪設的道路齊平。細心的遊客多半會留意到牆壁上的灰泥浮雕「鏝繪」和屋脊上裝飾的鴟尾。這裡的鴟尾都被雕刻成龍和其他神話生物的形象,傳說它們可以辟除火患。除了街面上偶爾有汽車經過,這座小城幾乎原汁原味地保留了100年前的日本街市風貌。
勝山的另一個特色更現代化一些,那就是被稱為「暖簾」的彩色店鋪門簾。傳統上,這種半截式的門簾大多都是通用款式,掛在店門外表示營業中。勝山的暖簾卻非常與眾不同,它們都是別具一格的天然織染工藝品,每一幅都出自當地織染家加納容子之手。她與城中所有商鋪老闆合作,為每家店鋪度身定製暖簾圖案,展示店鋪各自的經營特色。有的很寫實,比如為咖啡館設計的圖案就是一杯冒著熱氣的咖啡,周圍散落著跳躍的咖啡豆。有的更抽象一些,蘊含著店主的理念,吸引遊客進門探尋這家店舖究竟是做什麼樣的生意。比如暖簾上是一個蹲在綠色田野裡的快樂的小怪物,進門後發現,原來是家酒吧。
哪怕只是漫步主街,欣賞豔麗的暖簾與傳統建築交相輝映,就已完全值得專程來到勝山,何況店鋪裡還有更多有趣的體驗正在等待著你。擁有200年歷史的清酒廠開設了商店和餐廳招待遊客;畫廊裡陳列著當地藝術品和諸如竹編籃子等手工藝品;紀念品商店裡有新鮮出籠的酒饅頭(一種用清酒製作的傳統點心,餡料是甜美的豆沙)出售。當然還有加納容子的畫室,遊客可以在這裡動手學習織染,或親自設計一個暖簾,將這獨一無二的紀念品帶回家中。
■勝山:伝統的な町並みと近代アート
その昔、城下町(城を中心として築かれた都市)として栄えた勝山は、岡山県北部の旭川沿いに位置する。その地の利により、江戸時代(1603-1867)、勝山は商業の町として大いに繁栄した。旭川により、このエリアの木材産業地帯から下流の港まで木材を容易に運搬することができた。一方、他の物品の輸送には、西日本の日本海沿いの都市と、兵庫県南部の姫路を結ぶ交易路の出雲街道が陸路として使用されていた。
勝山の商人は、現在の町並み保存地区である本通り沿いに、美しい家、店、倉庫を建てた。重なり合う陶器の屋根瓦、白い漆喰の正面構造、格子窓を特徴とする2階建ての建物が、狭い道路沿いに並び、店先は舗装された道路と同じ高さになっている。目の肥えた観光客であれば、壁の装飾的な漆喰のレリーフである鏝絵や、切妻の装飾物である鴟尾に気付くであろう。鴟尾は竜などの神獣を表現した彫刻で、火除けの意味があると言われている。時折車が通る以外は、1世紀前とほぼ変わらない町並みを残している。
勝山ならではのもうひとつの特徴はより現代的なもの、つまり店頭の色鮮やかなのれんである。半身ほどの長さでごく普通ののれんは、昔から店の入り口の外に掛けられ、店が営業していることを示すために使われてきた。しかし、勝山ののれんは特別だ。すべて地元の染織家である加納容子氏が手掛けた、オリジナルの草木染めの作品なのである。彼女は、各店のオーナーと共に、それぞれの商売を体現するようなイメージをデザインする。中には、湯気をたてる1杯のコーヒーの周りで豆が踊っているカフェ向けのデザインなど、具体的な描写もある。一方で、オーナーの精神を表現するような、また、観光客の気を引き入店を促しつつも、表現から業種を想像することができるような、抽象性の高いイメージを取り入れる場合もある。例えば、一面の緑の中で、楽しそうな小さな鬼がしゃがんでいるというようなデザインで、入ってみたら、実はバーだった。
伝統的な建築を背景に、華やかなのれんを眺めながらメインストリートを歩くだけでも勝山を訪れる価値は十分あるが、店舗の中でも興味深い体験ができる200年の歴史を持つある造り酒屋には、ショップとレストランが設けられ、観光客を迎えている。ギャラリーでは地元のアート作品や竹で編んだ籠などの手工芸品が展示されており、お土産ショップでは、蒸したての酒饅頭(酒が入っている皮であんこを包んだ伝統的なお菓子)が販売されている。また、加納容子氏のアトリエでは、染色体験やオリジナルののれんをデザインするなど、他にはないユニークなお土産を制作できる。
No.012-031
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■神庭瀑布
神庭瀑布寬20公尺,落差達110公尺,是中國地方※最大的瀑布之一。瀑布從山頂落下,翻滾越過一道道黑色的火山岩架,儼然一副生動的中國水墨山水畫。在靠近瀑布中央的地方,水簾被一塊狹長的石頭一分為二。這塊石頭被稱為「鯉魚岩」,因為它的模樣很像一條逆流而上的大魚。這處遠望如明信片一般的風景名列「日本百景」、「日本百大瀑布」等榜單。
神庭瀑布位於一個占地約1萬平方公尺的自然公園內。維護良好的小道隨著岩石河床蜿蜒前行,一直通到瀑布腳下。河岸兩側生長著楓樹、桂花樹和櫸樹,夏日裡綠意盎然,秋天則金紅交織。每年春天,一種名叫「福櫻」的櫻花樹綻放出仿佛小菊花般飽滿蓬鬆的花朵。每朵花由數百片花瓣堆疊而成,花心呈深紫紅色,向外漸變為淡淡的粉紅色。
小道還經過另一個風景宜人的瀑布,瀑布的日文名叫「玉垂れ」(tamadare),差不多可以理解成「垂掛的珠簾」。涓涓溪流沿著青苔覆蓋的岩架流淌,然後墜入下方的河流中,發出悅耳的叮咚聲。這幅景象宛如雨簾自茅葺屋頂垂落,瀑布之名正來源於此。
這個公園裡生活著大約160隻日本獼猴。牠們是日本本土原生物種,也是全世界除人類之外生存區域座標最北方的靈長類生物,活動範圍可達本州最北端。公園裡的這些小傢伙並不總是會出現在瀑布附近,因為牠們大多數時間都在海拔更高的山上覓食。儘管如此,幸運的遊客依然有機會窺見牠們的身影。春天,母猴會抱著哄著鬧脾氣的新生兒;夏日,未成年的小猴們吵吵嚷嚷,嬉戲打鬧;到了秋天,成年的猴子們面色赤紅,標誌著牠們已經做好了交配的準備。
遊客不可攜帶食物進入公園,以免引來猴子偷搶。
※中國地方:日本本州西部地區名,包括鳥取、島根、岡山、廣島、山口五縣。
■神庭の滝
高さ110メートル、幅20メートルの神庭の滝は、中国地方※最大の滝の1つである。滝のてっぺんから黒い火山岩が続く岩肌を水が転がり落ちてくる様は、中国の水墨画さながらである。水の流れは、中央近くにある幅の狭い岩によって分断されながら、滝の底に落ちていく。この岩は、上流に向かって泳ぐ巨大な魚に外観が似ていることから、「鯉岩」と呼ばれている。絵葉書にふさわしいその美しい眺めから、神庭の滝は「日本百景」や「日本の滝百選」にも選ばれている。
神庭の滝は、1万平方メートルの広さを誇る自然公園の中にあり、整備された小道が滝の麓までつながっている。沿道には岩だらけの川床を流れるせせらぎを見ることができ、この脇に立ち並ぶカエデ、桂、ケヤキは、夏は青々と茂り、秋は彩り豊かな赤や黄色に変化する。毎年春には、「フクザクラ」と呼ばれる桜の木の一種が、小さな菊を連想させるふっくらとした花を咲かせる。一つの花に何百枚もの花弁があり、中心部の暗い赤紫色から縁の淡いピンク色まで、徐々に明るく変化する。
小道は、「玉垂れの滝」と呼ばれる風光明媚なもう一つの滝を通る。細流が苔で覆われた岩棚に沿って少しずつ流れ落ち、優美な雫の音を立てながら下方の小川に流れ込む。この光景は、雨が草葺き屋根を流れ落ちる様子に似ており、滝の名前の由来にもなっている。
この公園には、約160匹の野生のニホンザルが住んでいる。日本固有の種であるニホンザルは、世界中のあらゆるヒト以外の霊長類の中で最も北に生息しており、その生息域は本州最北端にまで及ぶ。神庭の滝のニホンザルの群れは、山の高い所で餌を探して多くの時間を過ごすので、いつも滝の近くで見られるというわけではない。しかし、運が良ければ春に母親サルがぐずる赤ちゃんサルを抱いてあやす様子や、夏に若いサルたちが騒々しく鬼ごっこをする様子、秋に交尾期を示す鮮やかな緋色の顔をした大人のサルが見られることもある。
サルが食べ物を奪い取ろうとすることがあるため、公園内への食物の持ち込みはご遠慮いただきたい。
※中国地方:鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県を含む、日本の本州西部を占める地域。
No.012-032
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■「風之家」服務區
「風之家」是一個熱鬧的旅遊景點,每年吸引著40多萬遊客前來造訪。如此龐大的數字,也許會讓人誤以為這裡是遊樂園或博物館,其實它只是一個公路服務區,日語裡叫「道の駅」(michi no eki),即道之站。日本共有1180個這樣的連鎖服務區,「風之家」就是其中之一。這裡有免費停車場、公共廁所、遊客中心和出售當地土產的一條龍購物中心。
但這個服務區最大的亮點,卻是它頗具規模的蔬果市場。當地人和旅行者都很喜歡來這裡購買蒜山出產的時令產品。其中,最著名的土產之一便是蒜山大根(白蘿蔔)。蘿蔔是日本料理裡的常用食材,而蒜山大根更是格外受歡迎,因為它的品相與口味一樣值得稱道。日本的消費者特別看重食材的品相,為了種出模樣完美、沒有一絲瑕疵的水果和蔬菜,農民們會花費大量的時間與心力。蒜山的黑色火山土壤質地鬆軟,能讓蘿蔔筆直生長而不受任何損傷,與此同時,土壤裡的礦物成分與水分也成就了蒜山大根脆嫩多汁的口感與豐富的營養。
借助一套簡單的產品溯源系統,風之家通過農產品銷售為當地社區提供支援。每一位當地居民都能領取一個綠色展示盤,將它帶回家後裝滿農產品再送回服務區銷售。所有「供應商」都會分配到一個註冊好的條碼,用來貼在他們的產品上。收銀時掃描條碼,便能將一定比例的銷售收入定向分配給生產者。為這個市場提供貨品的並不僅限於全職農民,其他當地居民,比如想要賺些零用錢貼補退休金的老年人,都會將自家的農產品送到這裡銷售。還有人會上山採各色山珍出售,比如珍貴的蘑菇、野生蜂斗菜,或是當地方言裡稱之為「グイビ」(guibi)的酸味棗子。
除了農產品市場,風之家裡還有一個出售當地特產和手工藝品的商店。此外,遊客也可以在餐廳兼咖啡廳裡品嘗岡山美食,比如廣受歡迎的蒜山炒麵。
■道の駅「風の家」
「風の家」は、毎年400,000人以上の観光客が訪れる、賑やかな観光地である。この数を見ると遊園地や博物館を想像するかもしれないが、実際には道路沿いに設置されている休憩エリア、つまり道の駅である。このような一連の施設が日本中に1,180箇所あり人気を博している。その一つである風の家には無料駐車場や公共トイレがあり、観光案内、そして地元農産物のワンストップショッピングサービスを提供している。
風の家最大の目玉と言えば、果物や野菜の広い市場であり、地元の人も観光客もこぞって蒜山の季節の恵みを買いに訪れる。その有名な特産品の1つが、ひるぜん大根である。大根は日本の料理には欠かせないが、ひるぜん大根は特に需要が高く、味だけでなく見た目についても高い評価を受けている。農家が、傷が無い完全な形状の果物や野菜を生産することに数え切れないほどの多くの時間、専門的な労働力を費やす日本においては、外観は重要な品質要素である。蒜山の柔らかい黒い火山性土壌のおかげで、大根は傷なく真っ直ぐ伸びることができる。また、土壌のミネラル成分と水分により、みずみずしく栄養価の高い大根になるのである。
農産物を追跡する簡単なシステムが構築されることで、風の家は農産物を販売することにより、地域社会を支えることにつながっている。住民は誰でも、緑の陳列用のトレイを家に持ち帰り、売りたい農産物をそのトレイに詰めて店に戻すことができる仕組みになっている。それぞれの販売者が登録したバーコードを用いて、出品する品物にラベルを付ける。精算レジで素早くスキャンするだけで、確実に売上金の一部がその生産者に送られる。この市場に品物を供給できるのは、プロの農業従事者だけではない。年金生活の副収入として農業に取り組む年配者など、他の住民もここで農産物を販売している。中には、珍しいきのこやふきのとう、地元の方言でグイビとして知られる酸っぱいグミの実など、山で採集した珍味を出品する者もいる。
総合施設である風の家には、農産物市場以外にも、この地域の特産品や手工芸品を販売する小売店や、人気の高いひるぜん焼きそばなど、岡山名物を楽しむことができるカフェレストランもある。
No.012-033
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■蒜山八塚溫泉快湯館
蒜山氣候涼爽,四面高山環繞,是戶外運動的天堂。徒步、滑雪全年都是熱門活動,而快湯館溫泉及其配套的休閒娛樂設備則提供了更多選擇,讓遊客可以在這片山谷裡痛快揮汗。
快湯館裡配備有各類運動場館,一切必要裝備均可租借。高爾夫練習場、網球場、足球場、棒球場、籃球場、室內游泳池以及自行車租賃對大部分旅行者而言都很熟悉,然而,快湯館內還設有場地高爾夫課程,這是日本人發明的運動項目,沿用了傳統高爾夫的規則,裝備卻是類似槌球裡的木頭球棒。這項運動在一片平坦的果嶺上進行,球座到球洞的距離比較短。場地高爾夫很容易上手,適合所有年齡段,所以是非常適合家庭的運動。
運動過後在快湯館富含氡元素的溫泉裡泡個湯,是恢復元氣、舒緩疲勞肌肉的理想方式。在日本,這處溫泉水以氡含量最高而著稱,這種元素來自火成岩中鈾的放射性衰變。溫泉水裡的氡並不存在健康風險,相反有研究表明,這種天然放射性物質的低劑量輻射,反倒能夠引發一種刺激效應,促進身體免疫系統,有利健康。室內溫泉包括岩石池、按摩池和桑拿屋。露天浴池設在一個小庭園裡,夜幕降臨後,在這裡還能看到漂亮的銀河,令人難忘。
■蒜山やつか温泉 快湯館
冷涼な気候や山に囲まれた地の利によって、蒜山はアウトドアスポーツのメッカとなっている。ハイキングやスキーは常に人気のスポーツだが、快湯館とそのレジャースポーツ施設においては、この谷で汗を流す方法がいくつも提供されている。
快湯館は様々なスポーツ施設を備えており、それぞれ必要な用具一式と合わせてレンタル利用することができる。ゴルフ練習場、テニスコート、サッカー場、野球場、バスケットボールコート、屋内プール、そしてレンタサイクルは、ほとんどの観光客にとって身近な存在であろう。しかしそれ以外にも、伝統的なゴルフのルールに従いつつも、クロケットのマレットに似た木製のクラブを用いる、日本で新たに考案されたスポーツ、グラウンドゴルフのコースがある。グラウンドゴルフは、ティーをホールから比較的近い距離に置き、平坦なグリーンでプレーする。年齢を問わず容易に習得することができるため、家族で楽しめる。
運動後に疲れた筋肉をリフレッシュし、癒すためには、ラドンを豊富に含む快湯館の温泉につかるのが最適である。この湯は、国内屈指の高濃度のラドンを含むことで知られている。ラドンは、火成岩に存在するウランの放射性崩壊が生み出した元素だが、温泉中のこの物質が健康にリスクをもたらすことはない。むしろ、このような天然の放射線を少量浴びることで体の免疫力を高め、健康を増進させるホルミシス効果が得られることを示す研究がある。屋内温泉設備としては、岩風呂、ジャグジー、サウナがある。小さな庭園に囲まれた露天風呂では、日が暮れると思わず圧倒されるような天の川の眺めが楽しめる。
No.012-035
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■福田神社與吉森堂
福田神社和吉森堂都是每年夏季盂蘭盆節期間上演真庭傳統舞蹈「大宮踴」(大宮舞)的場所。7、8月的數日,當地多處場所都有大宮踴的演出,但這兩處地點特別具有歷史意義。
8月15日,在福田神社會上演每年最後一場大宮踴。當地人尊稱這座神社為「大宮樣」(о̄miya-sama),「大宮踴」的名字正是來源於此。福田神社供奉三位御祭神:風暴之神素戔鳴尊、稻米女神稻田姬命、建國與結緣之神大己貴命(別名大國主)。神社創建的具體時間不明,但已知它的歷史至少可以追溯到西元13世紀,因為那一時期內有好幾份史料都提到了它。現存木結構本殿(正殿)及其附屬的參拜區域均建於1916年。
福田神社本殿的參拜區域,便是這場大宮踴演出的室內舞台。年深日久,上方的銅屋頂早已染上了銅綠,四面無牆通風極佳,觀眾可以從三個方向欣賞演出。舞者踏著已經磨損老化的地板緩緩繞圈舞蹈,每一個舞步與舞姿都精緻再現了狐狸的動作。舞場四周的高處懸掛了一系列大繪馬(日本神社或寺院中許願或感恩用的大木牌)。這裡的木牌是幾個世紀以來人們前來慶祝願望成真、大功告成時留下的,上面都畫著寓意吉祥的符號和日本歷史上的喜慶場景。如今,這些大繪馬已然成為傳遞歷史、沿襲風俗的紐帶,將現代舞者與他們祖先的生活、文化遺產聯繫在一起。
神社內有兩棵巨大的銀杏樹,相傳都已有大約650年的樹齡。它們被視為聖物,因此,落葉是不可以被掃掉的。每到秋天,樹葉變成美麗的金黃色,落在地面上集起厚厚的一層,彷佛為神社鋪上了地毯。清晨時的景象尤其美麗,那時剛落下的葉子還沒有被往來參拜者踩踏,靜靜地躺在被苔蘚覆蓋的兩個石燈籠和在歲月中風化的「狛犬」(石獅子)周圍。
大宮踴的另一個傳統演出場所是吉森堂。這是一個樸素的木頭台閣,四壁無牆,旁邊就是岡山縣最古老的一處墓地。在這裡表演大宮踴,是為了祭拜埋葬於此的無名武士之靈。墓地中,兩個花崗岩大佛塔所在的地方就是主墓群。墓碑上的文字已經不可辨認,但從樣式判斷,應該創作於西元1300年前後。主墓群周圍小墓碑林立,它們大約出自400年前。雖然年代較近,但小墓碑所用的石材卻沒那麼堅實,以至破損更為嚴重一些。過去,吉森堂和墓地周圍全都是稻田,如今這片歷史文化遺址被一群現代倉庫和住宅包圍,而歷史與現代並存,正是當今日本的典型寫照。
吉森堂裡供奉著一尊擁有400多年歷史的阿彌陀佛木像,全年對公眾開放。阿彌陀佛救贖眾生,發願帶領眾生在死後進入開悟之地的彌勒淨土。作為日本影響力最大的佛教宗派,淨土真宗所奉的主佛就是阿彌陀佛。
■福田神社と吉森堂
真庭の夏のお盆の時期に、福田神社と吉森堂の2箇所で伝統的な踊り、大宮踊が踊られる。7月から8月にかけての数日間、数か所で催されるが、福田神社と吉森堂はその中でも特に由緒ある場所だ。
福田神社では、毎年8月15日に大宮踊のフィナーレを迎える。地元の人々は、この神社を大宮様と呼ぶ。これが、踊りの名前の由縁である。御祭神は、嵐の神である素盞嗚尊、米の女神である稻田姫命、そして、国造りや縁結びの神である大己貴命(別名大国主)の三神である。正確な建立年は不明だが、複数の歴史書の記述から、その歴史は少なくとも13世紀まで遡ることができる。木造の本殿や、それに繋がる参拝エリアは、1916年に建てられたものである。
福田神社本殿内の大宮踊が催される参拝エリアは、年季が入り緑に変色した銅の屋根で覆われているが、壁は、風が入るように開放されている。観客は、踊り手が狐の動きを模して正確なステップや身振りを披露しながら擦り切れた木の床でゆっくりと円を描く様子を、3方向から見守る。踊り場の周囲には、複数の大絵馬(祈願や報謝のために、社寺に奉納する大きな木の額)が吊るされている。何世紀にもわたってご利益を受け、大願成就を祝して奉納されてきた大絵馬には、縁起が良いとされる文様や歴史上の光景が描かれている。今日、これらの大絵馬は、現代の踊り手と、先祖の暮らしや文化的伝統とを繋ぐ役目を果たしている。
境内にある2本の大きなイチョウの木は、樹齢およそ650年と考えられている。イチョウは神聖なものとされているため、秋に黄金色に美しく変化するイチョウの葉は、かき集めず、地面に敷き詰めたままにしてある。早朝に訪れると、新たに落ちた葉が通行する参拝客に乱されていない状態で残り、苔で覆われた石灯籠や、風化した狛犬(石獅子)の周りに吹きだまりとなっており、とりわけ見事である。
大宮踊が踊られるもう一つの由緒ある舞台である吉森堂は、岡山県最古の墓地の一つに隣接する、横壁のない木造の質素な建物である。この場所で催される踊りは、ここに埋葬された名も無き武士の魂に敬意を表したものである。花崗岩でできた2つの大きな塔は、主墓を表している。その碑文はもはや読めないが、様式からすると1300年頃のものである。塔の回りには、およそ400年前に作られた小さな墓碑が集まっている。これらはより新しい時代のものだが、耐久性の低い石でできているため、摩耗が激しい。かつて吉森堂と墓の周囲には田んぼしかなかったが、現在はこの由緒ある文化的遺産の周りには現代的な倉庫や家屋が立ち並び、古いものと新しいものが共存する現代日本らしい様相を呈している。
吉森堂には、400年前に建立された木造の阿弥陀仏像が安置されており、一年中公開されている。阿弥陀仏は、すべての衆生を死後浄土に導き救済することを誓った、救済者である。阿弥陀は、日本の仏教で最も広く信仰されている浄土真宗の中心的な仏である。
No.012-036
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■鄉原漆器
蒜山是鄉原漆器的產地。鄉原漆器堪稱藝術品,其最大的特點就是,在經過一系列雕刻、上漆等工藝後,依然能讓最終成品保留並充分展示天然木紋的美感。
蒜山的漆器生產歷史可以追溯到大約600年前。過去,這裡生產的漆器與其他地區很相似,都是黯淡的黑色或紅色產品,與如今獨具特色的漆器完全不同。但是,那時的蒜山漆器漆層比較薄,用漆量少,因此比其他地區的產品都要便宜一些。這使得蒜山漆器成為了一款實惠的旅行紀念品,受到造訪「大山」及周邊地區的參拜者歡迎。
這門手工藝產業在江戶時代(1603-1867)達到巔峰,蒜山地區每年能夠出產大約40萬件漆器產品。然而,之後短短不到百年之間,特別因二戰爆發,當地漆器產業近乎滅絕。戰後嚴峻的經濟條件大大減少了奢飾品的需求,許多身懷必要技能的手工藝匠人也在戰爭中喪生。另外,原材料的短缺,尤其是大漆的不足也是原因之一,它們在戰爭期間被大量消耗於船體防腐保護等軍事用途上。
此後的數十年間,當地都不再有人從事漆器生產。直到1980年代,蒜山的手工業者借助留存下來的漆器樣品和文獻資料,重建了整個生產加工工藝,這才令當地漆器產業又獲新生。為了製作出能夠真正延續傳統與地方特色的現代漆器,將現代產品與古老傳統完美融合,今天的匠人們依然在繼續尋找與過去相同的原材料。此外,他們還自己種植漆樹,致力於教育推廣,力求為這項傳統工藝的未來提供保障。
製作鄉原漆器的所有原材料都出自蒜山當地。木料取自周邊高山上的野生栗樹。通常,用於製作普通紅色或黑色漆器的木材都採取縱向切割,以便有效地利用木材切分出更多木胎料,只是這樣就必須犧牲木材本身的紋理。但木胎註定要漆上顏色,利用率自然成為優先考慮要素。然而,在鄉原漆器的製作中,樹幹被橫向切分成圓盤狀。這限制了同一段木料所能分割出的木胎料數量,漆器的尺寸也受限於樹幹本身的直徑,但這樣做能完好保留生長年輪的天然美感,並在下一步塗漆過程中充分展現。
蒜山的手工藝人用自己親手鍛造的鑿子,將圓盤形的胎料雕刻成木碗、盤子或其他物件。圓盤胎料則借助車床完成切削。木胎定型後,便是周而復始的打磨與上漆,每次打磨後都需要上一層漆,然後晾乾。
製作漆器所用的大漆取自漆樹(Toxicodendron vernicifluum)。在樹皮上小心地割開一道切口,就能採集並加工到幾百毫升漆樹汁。漆樹汁呈現出天然的深紅褐色,常見漆器的鮮豔的深紅色或漆黑色是在純漆樹汁裡加入顏料調製而成的。蒜山的漆樹汁裡漆酚含量特別高,而這種化合物能夠促進漆的硬化,同時也為鄉原漆器賦予了更深沉的光澤和絕佳的耐用性。
底漆乾燥後,要用矽藻土打磨拋光。矽藻土同樣出自當地,含有大量粗糙的二氧化矽,可充當研磨顆粒。打磨工序能夠讓下一層漆附著得更加牢固,最終確保漆器的漆層堅固完整,不易剝落。
再上一層漆後,要放到一個嚴格控制濕度的專用房間裡進行乾燥。這個步驟將一再重複,直到達到理想的色澤。這是一個漫長的過程,需要很高的控制技巧,否則難保不會弄花漆面,或因灰塵及其他碎屑損傷最終成品的光亮度。乾燥過程需要時間、溫度與濕度之間的精準平衡,因此,對操作者的經驗要求很高。
鄉原漆器總是越用越有光澤,每一件作品都只有在實際使用中才能達到最美的狀態。蒜山的匠人稱,他們希望自己的作品能夠融入每個人的日常生活,成為其中的一部分。
■郷原漆器
蒜山は、木目の本来の美しさを生かし引き立たせる彫りや漆塗りを特徴とする芸術品、郷原漆器が生まれた場所である。
蒜山における漆器づくりの歴史は、およそ600年前に遡る。今日の特色ある製品とは異なり、かつてこの地で作られていた漆器は、くすんだ黒や赤で仕上げを施した、他の地方の漆器とよく似たものであった。しかし、塗りが比較的薄く使用する漆の量が少ないため、他の地方で生産される漆器と比べ安価であった。そのため、蒜山の漆器は大山やその周辺の参拝客にとっての手頃なお土産とされた。
この工芸品が人気の絶頂を迎えた江戸時代(1603-1867)には、毎年およそ400,000個の漆器が蒜山で生産されていた。しかし、その後約100年足らずで、漆器生産は第二次世界大戦によりほぼ消滅してしまう。戦後の経済状況の悪化による贅沢品の需要減少に加え、必要な技能を持った多くの職人が戦死してしまったのである。材料、特に漆は、戦時下においては船体の保護など、軍事目的に使用されることも多く、不足していた。
その後数十年間、漆器は作られていなかったが、蒜山の職人が現存していたサンプルと文献を基に工程を再現し、1980年代にこの工芸を復活させた。彼らは蒜山の伝統や風土にも忠実な、現代的な漆器づくりを目指した。生まれ変わった現代の漆器と古来の伝統とを結びつけるべく、今日の職人たちは、昔と同じ材料を探し続けている。また、この伝統を未来へとつないでいくため、漆の木を植えたり、教育活動に励んだりしている。
1つの郷原漆器に使われるすべての材料は、蒜山で生産されている。木材には、周囲の山に自生しているヤマグリを使用する。一般に、従来の赤や黒の漆器の生産に用いる木材は、縦方向に切断される。この方法では、多くの基材を得ることができる一方で、木目の模様の趣を犠牲にすることになる。木材は顔料でコーティングされるため、効率が優先されたのである。しかし、郷原漆器では、幹は横方向、円盤状に切断される。これにより、一本の木から得られる基材の数や、完成品の大きさは制限されるが、年輪の美しさはそのまま残る。蒜山の職人は、年輪の美しさを存分に生かした漆塗りを行っている。
基材の円盤は、職人が鋳造したノミを用いて、ボウル、皿などに削り出される。円盤を削り出すには、旋盤を使用する。それぞれにやすりをかけた後、下地となる漆を塗布して乾燥させる。この一連の作業を繰り返し行う。
漆は、ウルシ(学名:Toxicodendron vernicifluum)から採取した樹液である。樹皮に切り込みを入れ、滲み出した樹液数百ミリリットルを丹念に採取し、処理する。樹液の天然の色は深い赤茶色で、一般的な漆器の鮮やかな深紅色や漆黒の色合いは、顔料を加えたものである。蒜山で採取される漆の樹液は、特に高い濃度の漆を硬化させる化合物であるウルシオールを含有している。これが、郷原漆器の深い光沢と優れた耐久性に寄与している。
漆の下地が乾いた後、研磨用の荒い粒子状のシリカを多量に含む、同じく地元産の珪藻土でやすり掛けされる。このバフ研磨により、続く漆の層が下地にしっかりと付着し、欠けにくい丈夫な漆器に仕上がる。
さらに上から漆を塗り重ねて、湿度管理した特別な部屋で乾燥させる。この工程を、望ましい色の深みが得られるまで繰り返す。長い工程を、固着しきっていない漆が滲んだり、ほこりなどのゴミでその素晴らしい仕上げが損なわれたりすることが無いよう管理するには、熟練の技術が必要である。乾燥には、時間、温度、湿度の絶妙のバランスを必要とするため、経験値が問われる。
郷原漆器は、使えば使うほど、艶を増す。実際に使われる中でより一層味わい深くなっていく器に、蒜山の職人は持ち主の日常の一部になって欲しいという思いを託している。
No.012-037
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■粹吞
粹吞是蒜山本地的妖怪,也是當地非官方吉祥物,日語寫作「粋呑」(suiton)。牠們遍佈蒜山地區,遊客隨時可能與這些小妖怪不期而遇,看到牠們用樹幹一般粗壯的獨腳搖搖晃晃地站立著,張開鮮紅的大嘴,用蛇一般的雙眼兇惡地瞪視著過路行人(牠們在某些地方還相當高大顯眼)。
在本地傳說中,粹吞能讀心,因此,牠隨時都能分辨出心懷惡意或圖謀不軌的人。牠的名字由兩個日文擬音詞組成:「スイー」(sui),表示有東西從空中快速飛過的聲音;「トン」(ton),表示重物落地的聲音。一旦察覺到有誰心懷叵測,粹吞就會「嗖」地飛到這人眼前,「嗵」地一聲落地,只一眨眼的功夫,就把他吞下肚去。
和許多日本妖怪一樣,粹吞擁有雙重屬性:一方面,牠是無情的懲罰者;另一方面,又是本地人的守護者。蒜山地區的媽媽們或許會用它來嚇唬不聽話的小孩子,可當地居民談到牠時都會流露出令人吃驚的愛意。雖然不乏讓人毛骨悚然的元素,這個傳說卻常常被當地人當作例子來證明當地居民向來對社區新人都很友好,而這種態度在閉塞的山區並不多見。正因為有這樣一個會飛的怪物能迅速幹掉一切潛藏惡意的人,蒜山的居民自然可以放心地相信,任何能夠安全通過考驗的旅行者必定都是善良平和之人。遊客在本地很多地方都能看到粹吞,有時是隨身掛件和鑰匙鏈,有時在餐廳門口,甚至還猶如巨大的圖騰立柱般矗立在高速公路匝道口。
■スイトン
蒜山地方に伝わる妖怪で、非公式なマスコットキャラクターになっている「スイトン」。赤い口をあんぐり開けて、ヘビのような目を威嚇するかのごとく光らせ、幹のような一本の足でバランスを取りながら、この地域の至る所で観光客を待ち伏せしている(場所によっては、そびえ立っている)。
地元の言い伝えによると、スイトンは心を読むことができるため、よこしまな考えや悪だくみを心に抱く者がいればそれをすぐに見抜く。その名前は、何かが空中を飛ぶ「スイー」という音と、着地するときの「トン」という打撃音の2つの日本語の擬音語からきている。誰かが悪い考えを抱いているのを察するや否や、スイトンはその人のところに飛んで行き、ドシンと着地し、瞬時にその人を食べてしまう。
日本の妖怪の多くと同じように、スイトンには容赦なく罰を与えるという側面と、地域を守るという二つの側面がある。蒜山で子どもを育てる母親は、悪さをする子どもをスイトンで脅すことがあるが、住民の口ぶりからは、スイトンに対する驚くべき愛情がうかがえる。その言い伝えは、内容自体はぞっとするようなものだが、地元の住民が地域社会において伝統的に築いてきた、新入りへの友好的な姿勢を説明する際、引き合いに出されるが、孤立した山間の町において、このような姿勢はあまり一般的なものではない。飛んで来る怪物が悪い心を隠し持つ者を素早く殺してしまうため、蒜山の人々は、通行を許された旅人は安心できるとみなして良いとしている。スイトンはミニチャームやキーホルダーになったり、地元のレストランの外に立っていたり、さらには、高速道路のインターチェンジを降りてすぐの場所に巨大なトーテムポールのごとくそびえ立っていたりする。
No.012-038
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■蜂蛹:蒜山的珍饈土味
在日本,一些山區會將蜂蛹納入食譜,蒜山正是其中之一。
沿海地區的人們一年四季都可以食用海鮮以攝取蛋白質,但身居偏遠山區,就沒那麼容易獲得蛋白質了。過去,村民會尋找野生蜂巢作為食物來源,因為蜂巢裡不但有蜂蜜,還有營養豐富的蜂蛹可吃。蜜蜂的幼蟲以蜂王漿為食,因此身體裡富含構成蛋白質所必需的氨基酸和鈣、鎂、鋅等礦物元素。
如今,蒜山地區人們依然在食用胡蜂、黃蜂和黃胸木蜂等蜜蜂的幼蟲及蛹。他們將蜂蛹加醬油和味醂(日本甜料酒)炒熟後作為配菜,或者將大米、調味料及配料混合後煮製成日式雜煮飯,常見配料包括炸豆腐、香菇、胡蘿蔔和牛蒡等。另外,蜂蛹還可以直接油炸後蘸醬油吃。
雖然蜂蛹已經不再是家常野味,但在蒜山一些酒館和餐廳的菜單上依然能找到這種酥脆的美食。
■蜂の子:蒜山の珍味
蒜山には、日本のいくつかの山間部で見られるように、蜂の子を食べる食文化がある。
タンパク源である海産物が年中容易に手に入る海沿いの地域とは異なり、孤立した山間の地域でタンパク質を手に入れることは、困難であった。かつて村人は、食料源として野生のハチの巣を探し求め、ハチミツだけではなく、非常に栄養価の高い蜂の子も食用にしていた。蜂の子はローヤルゼリーを食べるため、タンパク質をつくる必須アミノ酸や、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルを高濃度で含有している。
クロスズメバチ、アシナガバチ、クマバチなど、いくつかのハチの幼虫とさなぎは、今でも蒜山では食べられている。醤油とみりんで炒めてちょっとした副菜として出すレシピや、米を調味料やアクセントとなる油揚げ、椎茸、人参、ごぼうなどと一緒に炊いた炊き込みご飯に入れるというレシピもある。あるいは、蜂の子を単に揚げ、醤油をつけて食べたりもする。
蜂の子を食べる習慣は、かつてほど広く実践されているわけではないが、パリパリとした食感の珍味として、今でも蒜山の居酒屋やレストランのメニューに載っていることがある。