神代は更に悠久であり、無限に近い。
我が命の源流、旭川は神代の古来からその豊かな流れが涸れることなく現代に続いている。
日本の歴史の流れも、旭川の水の流れの如く、尽きずして流れつづけている。
しかしその両者とも源泉は掴みがたく、神秘に満ちている。
高天原(たかまがはら)はここにある。
村の古老は、その存在を信じて疑わない。
岩戸は戸の形をして、昔から天の岩戸(あまのいわと)と呼ばれ、近くには鶏声(とりごえ)と言う地名や、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る茅部神社もある。
地名は神代史研究上価値がある。
伝説以上により正確にその真実を今に伝えている。
因幡と美作との国境にある那岐山(なぎせん)は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が天降られた地で、那岐の地名は命(みこと)の名が由来と言われ、山頂に那岐神社があった。
それに続く蒜山高原一帯には、豊栄(とよさか)、大蛇(おろち)、祝詞(のっと)などの地名があり、吉備の国高天原説をより有力にしている。
しかし、高天原伝説は史実ではなく神話である。
上代の記録「古事記」に則った「作り事の夢物語」であったとしても、蒜山地方が神話の時代に連なる古い歴史を持つ地域に変わりない。
神々の子孫は現代に生きている。
神代から豊かな水と緑は変わりなく、ゆっくりと流れる時間の中で豊かな営みを続けている。
そこに残る数多くの史跡をご案内しましょう。